Ozzy Osbourne – The Ultimate Sin

1986年作品。

オジーオズボーンが、このアルバムを
あまり気に入っていないのは、
正直、心情的に分からなくもないのです。

このアルバムはオジー色が薄く、
当時流行っていたのいわゆるLAメタル色が
色濃く出ているからなのだろうと思います。

というか、そういう部分以前に
この頃のギタリストだった
ジェイク・E・リーのギターが
完全に当時落ち目だったオジーを
食ってしまっているという点に尽きると思うのです。

あくまでオジーオズボーンという
ソロアーティストのというキャラクターを
全く無視した音作りという点を考えると、
確かにたくさん星はつけられないのかもしれません。

しかし、前述のギタリスト、
ジェイク・E・リーの
このアルバムでのギタープレイは
冴えに冴えまくり、キレキレです。

重く歪んだパワーコードの
オーソドックスなヘヴィメタルギターと違い、
和声感溢れる煌びやかなギターリフは
ヘヴィメタルギターを新しい次元に
拡張していたと思います。

当時のLAメタルのギターリフの中でも
飛び抜けていただろう、
こういうギタープレイは
LAメタルブームとともに廃れてしまい、
一般的なヘヴィメタルギターは
元の「重く歪んだだけ」のギタースタイルに
逆行していってしまいました。

まあ、90年代の日本で興った
ヴィジュアル系のギターは
かろうじてこの精神を引き継いでいたことも
あったような気がしますが、
それも20年以上前の話。

と言うか、当時の僕が
受け継いでいただけという気も???(笑)

いずれにしても、
オジーという色眼鏡抜きにして
フラットに聴けば
なかなかの名盤だと思うのです。