次のルネサンスが来たら起こしてくれ

14世紀ごろ、
ヨーロッパでは
「ルネサンス」という
ある種のムーブメントが起こりました。
歴史の授業で伝えられるあのルネサンスです。

手短に説明すると、
いわゆる中世、時代にすると
ローマ帝国が滅んでしまった後の
5世紀ごろから12〜3世紀の間が
中世として定義されているのでしょうか。
確認していないのですが、
まあだいたいそんな時期の話です。

この時代のヨーロッパというのは
暗黒時代と呼ばれています。
キリスト教の教義の元に
とにかくコンサバティブだったというか、
キリスト教の絶対的な戒律によって
人の生活、文化が厳しく制限されていた時代です。
そういう時代が故に、
学問や文化などがほとんど発展せず停滞していたので
暗黒時代と呼ばれるのです。

正確には細かな解釈が
間違っているのかもしれませんが、
まあ、ニュアンスとして
そういう時代だったと捉えてもらうとして。

で、本題なのですが。

今、特に日本では
この暗黒時代と同じような時代に
すでに足を踏み入れています。

キリスト教のような
戒律こそありませんが、
人の想像力の欠如が
戒律のような足かせとなって
人をして進歩することを
「自らが」やめてしまった、
そういう時代になったということ。

おそらく日本はもっと沈むでしょう。
今後、数十年のうちに
もっとどん底まで落ちると思います。
そして、軽く100年は
浮上することはないのかもしれません。

暗黒時代に開く花はありません。

似たような現象はおそらく、
より古くから先進国だった国々から
順番に起こるでしょう。

けれど、
何百年か先になって
どこかで文芸復興は興るだろうとも
考えています。

そういう未来に必要とされるのは
文化や学問が一番華やいだ時代の
「遺物」です。

この「遺物」がやがて来る時代に
世界を拡張させる「種」となるのだと思います。

今の時代、人の精神活動は
いわば、さんざん収穫をし尽くした
畑のようなもので、
痩せて何も産み出せない状態にあります。
一度、休眠させて力が回復するまで、
人は何も「創造」できないでしょう。

今後、数十年かけて
人類の精神活動は衰え続け
ただただ、惰性と退廃が
人を「動かなくてもいい」存在にさせ、
統治者の管理の元で
過去の遺産だけが供給される、
そんな時代になるのだと思います。
以前のそういう、中世と言われる時代は
およそ500年続きました。

今度の暗黒時代は
いつまで続くのやら。

再び人間の精神が
豊かで美しい姿をとりもどすまで、
芸術家はきっと
一度この世から消えるのだと思うのです。