今のライブハウスはただの貸しステージ屋だ

今(2015年現在)、
ライブハウスが多いです。
ここ十数年のうちに
新しいライブハウスがいっぱいできました。

これは名古屋に限ったことではなく、
少なくとも都市部では
どこも同じような傾向にあるようです。

あくまで「僕の推測」という
前置きをつけておきますが、
多分、今の新興のライブハウスを経営している人は
だいたい僕と同じ世代、
いわゆるアラフォー世代が多いのかなと思えます。

この世代の人は、学生時代
あるいは若い時代に
空前のバンドブーム(多分もうこない)があって、
ライブハウス文化に慣れ親しんだ世代だとも言えます。

この「仮説を前提」としての
「推察」レベルでのお話ではあるのですが、
そういう20数年前のバンドブームの頃に
現役でバンドをやっていたりして、
結局夢破れて別の仕事についたりして数十年。
頑張って仕事をしてお金を貯めて独立して
小さな喫茶店とか、ペンションとかの
経営を始めるような感じで、
あの頃の空気をもう一度と
ライブハウス経営を始める人が多いのかな、
と思ったり。
いや・・・、ぜんぜん僕の憶測ですけどね・・・(笑)

聞くところによると、
最近のライブハウスというのは
オーディションをしないそうで、
しかも結構なノルマを
ミュージシャンに丸投げしている
ハコも多い、というか
ほとんどがそういう感じですよね・・・。

僕が思うに、
敷居が低くノルマが高いライブハウスには
関わるなと若いミュージシャンには言いたいのですよ。

大人目線で見ると、
カラオケの延長感覚で
単に若い子から高額のお金を取って
ステージを貸しているだけで
ライブハウスと名乗るのは
ちゃんちゃらおかしいと感じるのです。

今のライブハウスの収益システムは、
まあ、これはライブハウスに限らず
音楽業界全体に言えることなのですが、
現状、音楽を聴きたい人からお金を取るという
ビジネスモデルというのは、
もうすでに形骸化しているというか
死んでいまして、
今の時代は
「音楽をやりたい人からお金を取る」という
システムに、いつの間にかしれっと
置き換わってしまっているのです。

だからライブハウスには
オーディションは無いし、
ノルマをキッチリ払ってくれれば
実力を問わないのです。
それでお金が回っている。

言っておきますが、
ミュージシャンに多額のノルマを負わせるのであれば、
ライブハウスは
ミュージシャンを育成し、プロモーションする
義務もあるのです。
例えば1500円 x20枚のノルマを
ミュージシャンやバンドに課すのであれば、
『ライブハウスはそのノルマを達成させるために
尽力する義務がある』ということ。
ホームページにちょろっと
アーティスト写真や名前を書いたくらいものは
プロモーションとは言えないですよ。
どこまで、どれだけメディアに
そういうアーティストがいるということを
流布させるかという義務を果たせばこそ
故に、実力のある人を厳選するべき
オーディションの必然性が出てくるのですが、
実力不問、プロモーションも演者任せ、
ステージのフィー(料金)はがっちりいただく。
これはただ単に貸しステージ屋さんなのです。

ただ、ライブハウスはこれを認めたがりません。

貸しステージ屋だと思われると
主従が反転してしまうから。

今の実質的な集金システムだと本来なら
演者>ライブハウス
という立場であることの方が自然なのです。
ただそこに「ノルマ」という概念で
演者の思考を停止させ
あくまでライブハウス側としては
ライブハウス>演者という構図は
捨てたくないのです。

まあ、こう言ってしまうと
すごくドライな話になってしまうのですが、
このあたりのパワーバランスというものは
主催者側と演者との信頼関係によって
その様子が大きく変わるものでもあるので、
演者より常に上の立場にいる
ライブハウスの運営の仕方が
すべて悪だとは言いません。
そういう経営方針なものは仕方がない。

要は、とくにまだ業界を知らない
若いミュージシャンは、
今のライブハウスが余っている状況にあって
ライブハウスを見極めないと
ぼったくりに遇うよと言いたいです。

「ノルマ」という言葉に惑わされてはいけない。
それはただの出演するための参加料金ですから。
ノルマを払う以上、
ましてライブハウスもプロモーションを
演者に丸投げしているような状態で
お客がゼロであっても
申し訳ない顔をする必要はないのです。
客がいないのは
ライブハウスが客を集める努力を怠った結果です。
むしろ、
ノルマ以上のチケットを売ったとしても
それ以上のチケット代金の
一部しかチャージバックしないという
その阿漕さに気づくべきです。

ライブハウス側は
ちゃんとオーディションで演者を厳選したうえで

「よしお前ら面白いから、何月何日にライブをやれ。
ラジオに出させてやるからそこで宣伝してこい。
フライヤーも撒いてやる。
そのかわりチケットは1500円、20枚売ってこい」

これくらいのインセンティブを演者に与えないから
今のライブハウスは
単なる軽音楽部の集会になってしまうと思うのです。
つまり、こういうことができるライブハウスを
選んでほしいということ。

この程度のことができなきゃ、
これはライブハウスではない。
ただのレンタルステージです。

実質貸しステージのようなビジネスで回してしまうから
演者も緊張感が生まれないし、
質も育たない。
それが巡り巡って、音楽業界の痛手になるところも
「演者負担」というところに回避してしまうから、
身内パーティーもしくは
オタクの溜まり場みたいになってしまうのだと思うのです。
そして音楽で利益も得られなくなる。

まあ、今の若い人たちは
そこまでギラギラした姿勢で
音楽に向き合ってなさそうだから、
そのうち飽きて就職するまでの
暇つぶしのカラオケの延長みたいなのでも
構わないのかもしれませんが。

というか、直近に
僕自身がライブハウスでやるというのに
こういうことを書くこと自体、
僕も正気の沙汰じゃない・・・(笑)

というわけで、
次回のライブは
6月2日(火)
名古屋藤が丘ミュージックファームです!

チケット前売り¥1800
当日¥2300

<チケット予約はこちら>

Open: 18:30 Start 19:00

出演:ムラセテツヤ / 鮎沢郁弥 / falconヤスイ