楽曲解説:チェルシー・チェルシー

この曲のプリプロを済ませて
まずタイトルが思い浮かびました。
それが「チェルシー・チェルシー」

この言葉を知っている人はきっと
オジサン、オバサンだと思いますが(笑)
チェルシーというキャンディがありまして(今もある)
昔、そのTVCMで外人の子供(だと思う)が
片言の日本語で
「アナタニモ、チェルシー、アゲタイ」
というキャッチフレーズを言うというのがありまして、
なんとなくそんな
「アナタニモ〜」というセリフが
どこか聞こえてきそうな
雰囲気の曲だなと思って、
歌詞もないのにタイトルだけ
最初にに出来上がっていました。

このタイプの楽曲というものは
僕の中では十八番というか、
いわゆる鮎沢節なのだろうなと感じます。
過去にもこの系統の曲は
何曲か発表していますし。

けれど、なかなかライブでプレイする
機会がないのも事実です・・・。

間奏後半の短いギターソロの音は
自分でもかなり気に入っています。
ギブソンの音ですよね。

歌詞に関しては、
アルバム中の前の何曲かが
閉塞したメンタリティを持った内容で、
かつ「主観」を主体にして
演出されていることもあり、
どこかでこのアルバムの世界観の
外側から客観視した部分で
状況説明を綺麗にできるといいなと思っていたのですが、
その役割をこの曲が果たしているのかもしれません。

とは言っても、歌詞を読む限り
「客観」というよりは
限りなく「主観」に近い
「準客観」という視野なのだろうと思えます。

ただ結果的に、完全な客観としての歌詞より、
こういう感じの準客観の視点として
客観状況を説明できるように
歌詞の組み立てをした方が、
あとあと解説する「アルバム全体の解説」
という点からすると、
準客観という視点で歌詞を書いて
かえって正解だったかなとも考えます。

チェルシー・チェルシー

いつもの場所で待ち合わせをして
いろんな時を重ねてきたね
ただそれだけで悪くないなら
たぶん明日は今日と同じだろう

大事なことを語りたくても話を
逸らす君は上手(うわて)だね
ただ逸らすなら悪くないけど
閉ざしてるよね

いつも君を見つづけてきた
だからいろいろ分かってしまうよ
何気ない横顔の向こうでは
無くせないものをしまってるよね

扉の前で立ち話をして
見せる笑顔は真実なのに
別れ際の部屋の向こうには
誰かいるよね

抱きかえす腕の強さから
すれ違う隙間に吹く秋風が

チェルシー・チェルシー 秘めごとは
チェルシー・チェルシー さりげなく
閉じた瞳がもらしてるよ

チェルシー・チェルシー 打ち明けて
チェルシー・チェルシー それだけで
今よりきっと近くなれるのに

壊しそうで知らないふり
それで今日が続くのなら
「また明日」と手は振るけど
瞳はまた よそ行きのまま

チェルシー・チェルシー トランクを
チェルシー・チェルシー 抱く君は
どこかへいつか立ち去りそうで

チェルシー・チェルシー 悩ませる
チェルシー・チェルシー 秘めごとは
僕が消してあげたいけれど…