コンパクトな経済

ざっくりではありますが一般的には、
給料が上がれば自然に物価も上がると
されています。
実際はそれ程簡単なものでもなさそうですが。

考えてみれば、例えば
この世界全体が、全く同じタイミングで
物価や給料が10分の1になったところで、
桁が一つ下がっただけで、
相対的なものの価値は全く変わらないのです。

それどころか、
環境への負担まで考えると
むしろ経済はどんどん縮小されるべきなのだと思えます。

それでも労働者はもっと給料が欲しいと言いますが、
ギリギリの困窮した生活下に置かれているならまだしも、
充分に贅沢三昧の暮らしをしていながら
それでもなおまだ、もっともっとと言う人がいるから、
無用に経済が膨れ上がって
富が偏り、貧富の差も激しくなるのだと思うのです。

そして前述の通り、
それによって様々な意味での環境が
疲弊していくのです。

資本主義というのは、
人の物欲を刺激して財産を合理的に奪うシステムなのです。

これを、
「経済を回す」というような詭弁に落とし込んでしまうから、
資本主義のシステムに取り込まれた人間は
結局、システム、欲求の趣くままに
奪い合い、奪われ合わなければならなくなるのです。

何年か前、
冷戦時代の共産主義を揶揄するブラックジョークを
ブログで取り上げた事があります。

共産主義の国の人は、
着るものも食べるものもこと欠いているのに
自分たちの住んでいる国は
楽園だと思っている(ここで笑うらしい)
というやつなのですが、
もう一つ目線を高くして
この大して面白くもないジョークに当てはめるなら、
資本主義の国住人もまた、
自然を壊し、荒らし、
自分たちを生かしてくれる畑すら無くなり
住む場所さえ危うくなっていても、
未だにこれが最も先進のシステムだと
信じて疑わない(笑うところらしい)
と、言い換えられるのだと思います。

経済は最もコンパクトにできるはずなのです。

人が不相応なものまで欲しがらなければ。