テクノロジーはいつか縮退期に向かう

昨日、
人間そのものが不完全であるにも拘らず
テクノロジーばかりを
偏向して進化させようとしても、
扱う側である人間が未熟なら
自滅するだけだよ、という趣旨の話をしました。

その話とも絡む話が今日の話です。

人間の精神性が未成熟でありながらも
それとは不釣り合いなテクノロジーは確かに
人をして人の道を過つ要因となる可能性を孕んでるのですが、
仮にそのような不安要素を一切無視して
テクノロジーを極限まで進化させようとしたとして、
果たしてテクノロジーは
研究、開発すればするほどに
正比例的に技術は進歩するのだろうか
ということのなのですが、
思うに僕は人類のテクノロジーについては
やがて頭打ちになり、
逆に退化していくのではないかと考えます。
もう少し詳しく言うなら、
加速度的に進化した後に
緩やかに頭打ちになりやがて縮退していく。

例えば電気製品などは身近な良い例で、
その種の製品(例えばテレビやラジオだとかエアコンだとか)など、
まあ何でもいいのですが、
こういうものが市場にで始めた頃は
みんな、一般の人でも
その機械について詳しかったし、
もっと詳しい人であればプロでもないのに
自分で修理できる人というのは結構たくさんいたのです。

まだ物のない昭和、戦後10年とか20年という
時代を生活していた人にとっては
それは別に当たり前のことだったのです。

今の時代、テレビが映る仕組みや
クーラーが部屋を冷やす仕組み、
上述以外であれば例えば
自動車が動く仕組みなどもそうですが、
専門でそれを扱う学習をしていない人なら
知らない人の方がほとんどです。

もっと直近で言えば、
つい20年前まではパソコンなんて
自分で手入れするものだったのですが、
パソコンのテクノロジー自体の進歩も相まって
今ではパソコンがどういう仕組みで動いて、
どのように扱うのかなど知っている人というのは、
自分でパソコンを組み立てするような人くらいのものです。

やがてこういう人もいなくなるでしょう。
今の時代によほど車をいじるのが好きな人でない限り、
ほとんどの人が、手入れさえしなくなるでしょう。

このようにテクノロジー全体が、
あらゆるテクノロジー、製品が
コモディティ(無印な日用品)となれば、
何も不便がなくなり
わざわざ技術を進歩させるために
研究する必要もなくなるのです。

一部の勉強した人だけが
そうしたテクノロジーを管理、維持できれば
それで良いという時代がやがてやってくると思われます。

そうなった時、
まあそういう時というのは
相当に高度に発達したテクノロジーを
獲得しているのでしょうが、
そんな究極のテクノロジーを人が手に入れた時、
その時代を生きる人たちにとっては
全てが実現可能で、
不可能たり得るハードル、
要はつまるところ不便さなのですが、
それが無い、全ての欲求が満たされる世界なのです。

そういう場所ではあらゆるものの
進歩がなくなるのです。
テクノロジーなどそのほんの一端にすぎません。
とにかく、あらゆるものが進歩しなくなり、
過去に考え出されたテクノロジーやロジックは
全て忘れられるのだと思います。

行き着くところ、
『なんかこういう部品を
こういう所にくっつけると
こうなるらしい。理由はわからないけれど・・・。
まあ昔の人は不便な世界を生きていたから
いろいろ考えるんだろうね〜。
でも俺たち今、何でも叶っちゃうから
そんなことどうでもいいよね』
となるのでしょう。

もちろん、100年とかそんな期間ではなく、
1000年単位のスパンでの話ですが。

要するに何が言いたいかというと、
とかく人類はテクノロジーを
崇め奉りますが、
それは必ずしも青天井ではないという事。

人の欲求が満たされてしまえば、
それ以上のものを叶えてくれる
いわば人の欲求を超えた欲求まで叶える必要がなくなるので、
技術は進歩しなくなり、
やがてこなれてコモディティ化し、
最後にはそれがなんだったのかすら忘れてしまうのだという事。

現に今の時代を生きる人間が、
何千年前の遺跡の中から
使い道が分からず
「おそらくこれは、こういう時に使ったのだろう」
と推定するしかない異物が見つかっているわけですし、
今のスマホだって
2000年、3000年後の人類からしたら、
「?何これ??」となる事は
あながち無くはないと思うのです。

人類の歴史というのはおそらく、
拡張と縮退と繰り返しながら、
生活の様相こそ違えど
いつの時代でも似たような振る舞いを
繰り返す存在なのでしょう。


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