人生と存在意義

raison d’etre【存在意義】
人というのは所詮、
どう頑張ったところで
自分以外の人間にはなれないし、
自分の住む世界以外では
生きられない、
と言うか
自分の住む世界以外の場所に
行けないのだと思います。
その人であったり
世界であったり、
それはまるで磁界のように
何らかの磁場的なものが形成されていて、
そこに相容れない物事は
その「場」に存在する事は出来ない、
そんな気がします。
例えばそれは
水と油が共存できないのと同じように。
だから僕も
自分以外の自分にはなれないし、
自分の世界の外側に行く事も
出来ないのだろうなと思います。
それは可能性を限定する
寂しい考え方かも知れません。
でもそこを
真摯に真正面から受け入れないと
いつまで経っても
自分を自分以外の場所に
見いだそうとして
見つからず、
結果として徒労と失望しか
そこには無かったと
言わざるを得ない心境を
味わうだけのような気がします。
ここが自分の世界。
自分のいる世界は自分の世界。
それを認めたうえで
その舞台でどれだけ
自分の理想に近い自分を
生きる事が出来るかなのだと思うのです。
結局、自分の生きる世界の中でしか
生きられないし、
僕の人生の中で出会う人もまた
似たようなもの。
いきなり遠くへは行けないし、
まして奇跡なんて起きない。
理想郷はここではないと
今いるこの世界を
否定して生きるのではなく、
ここ、この世界を
自分の理想に適うよう
いかに飾っていくか、
それが人生の意義なのではないかと
思ったりするのです。