いろいろな感覚が喪失している件2

感覚が失われてしまっているのは
楽器や歌を扱う感覚だけではないのです。
まずは時間の感覚。
退院してまだ3週間しか経っていないのですが、
入院していた時に失った時間を
取り戻したり、追いかけているかのように、
この3週間が1ヶ月以上の長さのように
感じるのです。
じゃあさぞ
濃密な時間が流れているのかと思いきや、
思い返してみると
別にこれと言って大した事はしていないのです。
時間の長さ、流れるスピードが
なんかおかしいんです。
明らかに入院前と違う
時間の流れを生きている感じ・・・。
もう一つ重要な感覚が喪失しています。
現実感がないのです。
まあこれに関しては、
いわゆる離人症といって
例えば集中して観ていた映画が終った後とか
旅行中など、
それまで過ごしていた現実から
次の現実に対応しきれずに起こる
精神症状もしくは
精神状態なのだそうで、
放っておけばそのうち治るのだそうですが、
今まさに
その離人症の症状があるのです。
入院中は本当に予想外の出来事が
何度も連発して起きました。
その3ヶ月間に
次々襲ってくる身体の異変に
対応しつつも、
ようやく身体も落ち着いて
ぽんと家に帰されれば、
その現実に対応できなくなるのも
無理はないかなと思ってます。
でもそれでもやっぱり、
時間の流れ方と同じように
僕を取り巻く現実も
何か入院前のそれと違う気がするんです。
確かに家の近所の街並は
入院前と何も変わってはいません。
でも何かが違う気がするんです。
同じ風景なのに
違う世界にいるみたいなのです・・・。
入院生活という
ある種独特の生活を3ヶ月して、
その生活が僕の実際の現実として
馴染んでしまったんでしょうね。
だから病院にいない自分に
気後れしているのだと思います。
徐々に今いる現実に
馴染んでいかなくてはなりませんね。