大いなる危険なゴミ

未曾有の震災と原発事故によって
生まれた放射性物質の付着した瓦礫の処分。
未だに問題になってるのですね。
その瓦礫を日本各地の自治体が
焼却処分するというから、
そんなものを持ち込むなと反対する人と、
いや国難だからみんなで協力して処理をしよう
という相反する考え方が出てきて、
どちらの主張も筋は通っているだけに
難しい問題です。
そもそも、
放射性廃棄物はどうやって処分するか
ご存知でしょうか。
病院のレントゲンなどに使われる
放射性廃棄物や
原子力発電所の原子炉付近にあった
放射性物質の付着した
資材に関しては、
比較的放射線のレベルが低いので
低レベル放射性廃棄物と呼ばれ、
実はこれらは
すでに土の中に埋められているのです。
青森県の六ヶ所村って
聞いたことないでしょうか。
では原子炉の使用済み燃料などのように
非常に強い放射線を発している
高レベル放射性廃棄物と呼ばれるものの場合は
どうでしょう。
僕も細かい段取りまでは知りませんが、
ざっくり簡単に言うと
現状としてこの廃棄物、
ガラスに固めて放射線を封じ込めて
さて、どうしよう?
地面に穴掘って埋めちゃう?
海に捨てる?
なんか他にいい方法ある?
ねえ、どうするのさ?
という状態なのです。
そう。
処分の方法が確立されていないのです。
使用済みとなった
高レベル放射性廃棄物は
現状、持て余して倉庫に鎮座しているのです。
故に「トイレの無いマンション」と
揶揄されているほどなのです。
人類の最先端科学によって
作り出された
原子力発電という技術。
にもかかわらず、
後始末の方法は
実にお粗末と言うか、
それを通り越して
無責任な気もします。
どのみち廃棄するにしても、
放射線が無害になるのは
次世代、さらにその次の世代の事あり、
いくら放射線が漏れ出さないように
処理してあると言っても
その間、廃棄された場所は
汚染される危険性は皆無なわけではありません。
牛や豚から出てきた肥えを
土に還すのと、わけが違うのです。
さらに今後も
原子力発電を続ける限り
放射性廃棄物は生まれ続け、
人類がこの高レベル放射性廃棄物の処理に
頭を悩ませているうちに
この廃棄物は溜まっていく事になります。
さあ、
この大いなる最も危険なゴミ。
どうしましょうか。
僕たちはこの危険なものの働きに
一部にせよ頼っていたわけです。
人類は眠ったままの死神を
御したつもりでいたら、
実はその影で悪魔が糸を引いていて、
眠れる死神を扱うための
見返りを要求されてしまいました
というオチだったのかもしれません。
しかもその死神が
たまに目を覚まして死を撒き散らす事があるけど
それは人類の自己責任でと言う
酷い契約内容。
悪魔に見返りを支払うのは
僕たちの子や孫の、
さらにはその孫の子の世代だったりするのです。
悪魔との契約を断ち切れず
住む場所まで奪われました、
そんなことにならなければ良いのですが。