月定額制音楽サービスが音楽を共産化させる

以前も触れたのですが、
Apple Musicなどの
月額制で音楽が聴き放題になる
いわゆるサブスクリプション型の
音楽サービスについて。

先日は、世界でも指折りの大会社となった
Appleには、日本企業のしがらみがない分、
日本の利権や圧力をはねつけて
本当にいいと判断したものだけを
発信してほしいという希望を書きました。

例えばApple Musicの場合ですと
月額¥980でストアのライブラリにある
音楽全曲を聴くことができ、
さらにはダウンロードもすることができる
というのは、
要するに月にどれくらい
音楽を(この場合は音源でしょうか)
消費しているかによって
損得の評価が分かれるわけです。

例えば毎月¥2000のCDを1枚
必ず買うような人であれば
明らかにネットの
サブスクリプションサービスのほうが
安くつきます。

かく言う僕も
月に1〜2枚は必ずアルバムを
ダウンロードなりCDなりで買っていますから、
明らかに月額¥1000弱の
聴き放題サービスの方がお得と言えるでしょう。

じゃあ実際僕自身、
こういったサブスクリプション型の
音楽サービスを利用するかといえば、
今のところ利用する予定はありません。

多少(というか積もれば結構)割高でも、
個別に購入して、音源をコレクションしたいと
考えています。

まあこれは、完全に価値観の問題だろうし、
もっというなら
「アルバムを買って聴く」という
認知行動から逃れられない
古い認識しか持っていない人間の
戯言なのかもしれません。

それでもやはり、
今の経済構造から成り立つ
社会生活を営む人間にとって、
「買って所有できるもの」と
「(月額いくらで)なんとなく手に入るもの」とで
その価値はいかんとも等価とはならないと
僕は思うのです。

はっきり言ってしまえば、
「月額」という概念によって
音楽の価値は平均化され、
それは結局、音楽の価値が下がることが
懸念されるということ。

例えば僕の音源も
iTunesで売っているわけで、
月額を払った人は
僕の音源も落とし放題となるわけです。
ぶっちゃけた話、僕にとっては
自分の楽曲に値がつくチャンネルが増えるわけで、
それはそれで朗報とも言えるのですが、
月額制のサブスクリプションサービスのルールの上では
鮎沢郁弥とジョンレノンが
等価となるという意味において
僕のような
非常に小さな市場(需要)しかない
末端の立場の人間が
偉大なアーティストの価値の
足を引っ張っているという構造ものには、
やはり違和感を感じます。

とはいえ、同じ音楽ですから
だからと言って線引きが必要という
問題でもないし、
線引きしたところで
旧来の音楽ビジネスからの本質的な構造に
パラダイムシフトも起こらないし、
起こす道理もない気もします。
まして、日本の音楽ビジネスの構造を考えると、
むしろ寝た子を起こすなとでも
言いたげな雰囲気さえ漂います。

こういう日本のメンタリティで
月額サブスクリプションサービスを
日本で興しても、
日本での音楽の価値が余計に下がることは必至です。
みんな横並びで
日本の楽曲の価値がすべからく下がる。

こういうサービスは
東洋の猿にはちょっと
過ぎるシステムのような気がします。
きっと共産主義と同じ轍を踏む
そんな気がします。

まあ、そうのたまわふ
僕の楽曲もiTunesで聴いてくれ(笑)