テレビの音楽番組の薄ら寒さ

最近、テレビでは
不自然な盛り上げ方をする
音楽番組が多くなったように感じます。

そう、なんというか。

CDが売れないので
テレビ局に泣きついて
堕ちた音楽業界のテコ入れを図っているのが
見え見えというか。

言っておきますが、
そんなことしても、もう遅いですから。
雑な商売をしてきたツケの支払いが
そろそろ迫っているようです。

そもそも、
音楽というものは
「若者の文化」ではなかったという
事実に気づかなければなりませんし、
人口の多い団塊世代、
あるいはその子の世代である団塊ジュニアという
世代群が今も昔も
音楽を買い支えしてきたから
音楽というコンテンツの
市場が大きくなっていただけで、
この先、人口が減っていけば
市場が縮小していくことは必至なわけで、
団塊世代とそのジュニア世代が
音楽を聴かなくなったら
全く成り立たないビジネスでもあるのです。

ゆえに結局、音楽番組の構成の中で
重要な位置の時間枠は
1970年代から90年代、
あるいはギリギリで2000年代初頭までに
ヒットを飛ばして活躍した人たちの
懐メロを持ってこざるを得ない。

本来、というか昭和の世であれば
こういう美味しい枠には
新しい一押しの新曲、若い歌手が
配置されていたのですが、
今では音楽番組そのもの自体が
すごく年寄り臭いものになってしまっています。

もっと酷いものとなると、
こういう逼塞した音楽に
偽善を絡めてショーアップする演出には
本当に反吐が出る思いです。

今の人たちは
音楽業界が利権や天下りの温床になって
腐敗していることを、
その真偽はともかく
そういう風に認知してしまっています。

テレビで音楽を
大きく盛り上げようにも、
視聴者は制作側が思う以上に
冷めているのです。

今の時代、音楽というものは
前に出れば出るほど
安くなる時代と感じます。

これはジャンクなコンテンツを
垂れ流してきた
マスメディア全体の業なのかもしれません。

なので「テレビに出ている人」というものに
昔ほど価値がなくなっているのです。

まあ、どっちみちこの先、
音楽に限らず
あらゆる文化、コンテンツが
「お金を産めなくなる」時代が
間違いなく来ますから、
それまでせいぜい、少しでも蓄えておいたほうが
いいのかもしれません。