時の幸福論

幸福感、至福感というものは、
一度体験してしまうと
その甘い体験から
なかなか離れられないものです。
体験というものは
未来から今にやって来て、
過去へと去って離れていくものだから、
当然その時感じた幸福も
過去のものとなり
今という時に存在しなくなります。
それを追いかけようとするから
人はいつしか
過去を思い、
未来からやってくる可能性に対して
心を開かなくなっていくものだったりします。
こうして、
流れていく筈の事象を
心が手放さず残っていくものとは、
言わば幸福の残り香、残像であり、
欲するものとして
今この瞬間の心に影を落としはじめます。
そしてそれは憧憬となる。
憧憬とは
自分は持ち得ないという
諦念の認識から逃避するために
無意識に美化された物事なのです。
ましてそれが
一度は味わった幸福であればなおの事。
明確に欲するものとして
いつまでも心に居座り続けます。
それは過去へと去って行った事の
照り返しが影となったものであり、
それをいつまでも持ち続けていても
それは遠ざかるばかりで
余計に心が痛むもの。
遠ざかるほどに
それを持てない事の無念さも募ります。
過去に去って行ったものに
想いが募るから
過去ばかりを見てしまう。
物事は未来からやって来ます。
同じ幸福が再びやって来るのもまた未来です。
だから未来を見なければなりません。
後ろを向いてばかりいては
訪れるべき求める幸福を
受け取る事が出来ません。
受け取るためには
前を向いて
自分が受け取るものを明確にして、
それが未来からやって来た時のため、
それを捕まえられるだけの
準備をしていれば良いのでしょう。
一度は得られた幸福なら、
もう一度、何度でも、
受け取れる筈です。
そしてそれを逃してしまった
過ちを正しさえすれば、
必ずそれを受け取り
自分のものとして
いつまでも
幸福は自分のもので
いてくれるのだと思うのです。
自分のものとなれば
そんな幸福も
もう追いかけなくてすむのです。
そして自分のものになるまで
いつまでもそれは
未来から
捕まえてもらえるまで
現れ続けるのではないでしょうか。
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