「メンタル」のテーマの日付と記事の内容を
確認して頂ければ分かると思いますが、
精神科から退院したものの
鬱の症状は抜けていませんでした。
具体的に鬱の症状が出ていた頃は
心身共に
本当に重かったです。
喩えでもなんでもなく
実際に人を１００人くらい
背負っているのではないかという
のしかかるような重さを、
身体だけではなく
心までも感じていました。
形而上的な言い方になってしまいますが、
事実、本当に
未浄化で沈んでいくような
実際に質量を持ったエネルギーを
たくさん身に纏っている感覚でした。
きっと人が死んで、
その魂が成仏出来ずに
苦しみ続けるという感覚は
正にこういう事を言うのだろうなと、
心底思ったりもしました。
あまり人の死後の世界とか、
成仏するだとか、
そうした事に興味の無い僕でしたが
あの時ばかりは本当に心の中で無意識に
常に「成仏したい」とつぶやいている
自分を見つけたりもしました。
そういう状態が２年くらい続いていました。
そして
２０１１年３月１１日、
午後２時４７分でしたでしょうか（違っていたらすみません）。
あの大地震で何百kmも離れた名古屋も
ゆっくりとしたいわゆる
長周期振動という揺れを感じました。
奇しくもその日は
ちょうど精神科の受診日で、
地震の来る直前
診察を受けていました。
診察を終えて
病院で清算をしている時、
非常にゆっくりとした揺れを感じていました。
精神薬を飲んでいる身でしたので、
薬による副作用の
めまいかと思っていました。
しかし、これが東北で起きた
巨大地震だった事を知ったのは
帰り、薬を貰いに行った時、
そこの薬局のテレビで
物々しい速報で伝えてられていた
ニュースからでした。
薬を用意してもらっている間、
そうしているうちに
その時まさにリアルタイムで
街が津波に飲み込まれていく様子が
放送されはじめました。
この時点ではまだ
地震の規模も
津波の被害も確定しておらず、
福島の原発が危険な状態になっているという
情報も入っては来ていませんでした。
薬を貰って薬局から出る頃にも
また長周期の揺れを感じました。
あの地震で巨大な地震が２回起きましたよね。
２回目が起きた時というのは、
ちょうど僕は家に帰る時で
帰りの車で流しているラジオでも
地震の速報をしていました。
この時点ではまだ
津波の被害よりも
地震の被害と
余震の速報ばかりを流していた記憶があります。
家に帰りテレビを付けると
地震も最悪でしたが、
津波の被害がそれ以上に甚大で、
薬局にいた時から３０分くらい後でしょうか。
次から次へと
各地の津波の映像が
流されはじめていました。
この辺りの情報の変遷は
被災された方も
そうでない方も
皆が体験したと思います。
ただこの時、夕方から夜にかけて。
僕の身にとても不思議なことが起こったのです。
本当に被災された方には
この話は不謹慎と
取られてしまうかもしれない事は
承知の上でお話ししますが、
テレビで放送される
津波の映像を見ていて、
次第に自分の身体と心が
物理的に軽くなっていったのです。
それまで１００人もの人を
背負っていたような重さが
一人また一人と離れて
徐々に無くなっていき、
沈殿した泥のようだった心も
徐々にその汚泥が消えていき
心の視界が開きはじめたのです。
僕にくっ付いていた重いものの量が
あまりに膨大だったので、
もちろん
その日のうちとか、
翌日には全快したというわけでは
ありませんでしたが、
それでも日を追うごとに
心身ともに軽くなり、
最悪の状態の時期には
音楽をするどころか
身体を動かす事もままならない状態だったのが、
夏前には曲を作れるまでになっていました。
その後、持病の腸の病気が悪化したりして
絶飲食を余儀なくされ、
飲み薬も飲めない状態が
何度か続いたおかげもあって
結果的に
抗鬱薬の断薬にも成功し、
その後
鬱の症状はほとんど出ていません。
強いて言えば
ずいぶん前にちょっとした
原因不明の焦燥感が起きたくらいでしょうか。
この春、病院から退院した直後くらいの話です。
間違いなく言えるのは、
実体験として
あの震災以降、
僕の精神症状は劇的に回復したのです。
思うのですが、
よく地震の前になると
動物が落ち着きを無くしたり、
よく吠えるとかいう話ありますよね。
もしかすると
僕も、そうした動物的な本能としての
勘が働いて
数年前から無意識に察知して
警戒していたのかもしれませんね。
そう思う方が、
あの「対象のない不安感」の
実体の説明も
合理的に出来るように思います。
ただこれは
実際に体験した人でないと
この奇妙さも
ひとつの不思議な話としてしか
理解されないのでしょうね。
ともすれば
話を盛っていると疑われもするでしょう。
でも、これは実際に体験した事実なのです。
このブログの過去、
震災前後の僕の書き込みが
唯一の証言者です。
そして実は
その後も僕の身には
何故だか分からない
「何か不思議」な状況、現象は
継続して起こっていまして、
それについてはまた
そのうち、
話のネタにつまった時にでも
お話ししようかと思います。
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