昇っていく音楽

今、制作の作業をしている
僕のベストアルバムですが、
ファーストアルバム
「風は群青の空をそよぐ」以前に
ネットでmp3として無料配信していた時代の
楽曲から編成されるアルバムとなります。

まあ、だいたい10年くらいなのですが、
よくまあ、ここまで報われない10年を
やってこれたものだ
我ながら笑ってしまいます。

よっぽど僕は実力もさることながら
運にも見放されているとしか
言いようがないという・・・。
そういう、およそ10年間に紡ぎ出された
音楽達をまとめた内容になると思います。

それはさておき、
このベストアルバムは
僕の中では「集大成」と位置付けをして
制作に励んでいます。

その辺の想いは
そのうち、ベストアルバムが出るときにでも
語るつもりでいますが、
とりあえず今、制作作業をしていて
とにかく思うことは、
自分が紡いできた音楽は
決して間違えてはいなかったということです。

まあ、確かに色々な技術的な面においては
拙い面が多々あることは認めますが(笑)、
今なら、もっとこのmp3配信時代の
楽曲たちを輝かせることができるという
自信と確信があるので、
ものすごく意欲的に
「再制作」という作業を楽しめています。

そして思うのです。

確かに僕は、
運にも人脈にも、そして実力にも
見放されてしまったかもしれませんが、
間違いなく音楽には愛されていたな、と。

端にも棒にも引っかからなかったのは
人のエゴによる
端や棒で楽曲の形が変わらないように、
僕が端にも棒に引っ掛けなかったから
なのかもしれません。

逆に今は、
ここまで人のエゴで汚すことなく
楽曲を維持できたことを
誇りたいくらいです。

ファーストアルバム発売時の
キャチコピーに
「キラキラと透明な」という文句がありました。

こういう言葉が出てきたのも、
mp3配信時代の楽曲の蓄積が
あってこそのものなのです。

ポピュラー音楽がどんどん、
陳腐と汚濁へ振れていくこんな時代の流れにあっても、
僕の音楽はやはり
「キラキラと透明な」ものを目指すべきなのだと感じています。

より低い方へ向かう音楽ではなく、
よりより高い方向へ上昇していく音楽。

より、人の精神を
高い方へと導く音楽というものが
あっても良いと思うのです。

なぜなら、
低みを目指した先には
瓦解しかないことは明白なのだから。