実質無料の怖さ

携帯電話などでおなじみの
「実質無料」とか
「実質いくら」というやつ。

ご存知の通り、
よほど思考停止に陥っていない限り、
この「実質」というものは
別に安いわけでもなく、
まして「無料」でもないのは事実です。

結局、消費者は
払うものは払わなければならないのです。

「実質値引き」を成立させるために
減額されるのは、
ほとんど供給者の言い値で支払っているような
消費者からは見えにくい
怪しい部分である場合がほとんどです。

通信料から差し引くと言いますが、
『差し引けるのなら、なぜ初めから差し引かない?』
という話なのです。
差し引いて損をするのは誰か?
いや、差し引いても
不都合をなくするにはどうするのか?

国から物言いがついたので、
今後は少なくなってくるでしょうが
実質いくら値引き、
さらにポイント還元何万ポイント、
とかいう、このポイントなど
その最たるものかもしれません。

ポイントというのは貨幣ではありませんから、
ポイントを名目にお金のやり取りが成立するのなら
これは「実質借金」なのです。

通信以外に目を向けてもそう。

国が商品券をばらまくと言えば
聞こえはいいかもしれませんが、
誰かが身を切らない以上、
この商品券は貨幣と等価のものたりえません。

結局、誰がこの「実質借金」の
穴埋めをするのでしょう。

最初の携帯電話だってそうです。

通信料という言い値を値引きすることで
実質的に端末を値引きしたことにする
と言いますが、
それは端末の価格がこれ以上、減額できないから
言い値の部分を切り崩しているにすぎません。

それでも会社の人は
多くの給料をもらっています。

値引きした分は
結局、消費者が別の形で
補填しているにすぎません。

巡るお金の流れから
吸い上げる人と、
吸い取られる人がいます。

何もないものであるところの
「実質虚偽」の貨幣、
つまり商品券だったりポイントだったり、
そこに無理やり金銭を結びつけたところで、
その金銭を補填するのは
結局、囲われている人なのです。

おそらく、
世の中には本当は存在しない
「偽りのお金」に
踊らされている人が多いように思えます。

ひとまず、さも有るか(お金が)のように
謳うものの、
本当はもとより、
支払う正当な根拠のある「貨幣価値」など
初めから無いのでしょう。

バランスよくお金が流通するのなら、
そもそも、財政破綻する国などでてこないのです。

けれど、そのバランスを保てないのが人間です。

それもこれも、
自身の身の丈、必要以上に
「お金を欲しがる」人が多いからなのでしょう。

お金というものは
本当は必要以上には存在しないのです。

必要以上に持っている人がいる時、
必要以上に困窮している人がいるということです。
それ正義とするのが
資本主義なのでしょう。