ライブか、作品か

最近は音楽のデータ化によって
ネットに違法コピーが
たくさん上げられるようになり、
その事によって
音楽の商品価値が下がり、
音楽が売れなくなる。
そうした悪循環にはまって
惨惨たる状態となっております。
そこでよく聞く話ですが、
アーティストはもう
音源では稼げない。
ライブをやって稼がなくては。
そういう事を言う人が結構いるのですが、
この考えは片手落ちというか
本質を理解していないのではないかと思うのです。
実際に音楽を作り、実演する人間なら
至極当然の話なのですが、
音源とライブでは
音作りのアプローチがそもそも違うのです。
ライブの場合は
ステージの演出上の都合や、
会場の音響環境によって
それに即したアレンジのアプローチが必要ですし、
音源の場合では
部屋のステレオのスピーカーや、
最近ではスマホやiPodなどイヤホンで聴いて
活きる音を作る事が要求されるものなのです。
端的に言うなら、
イヤホンで聴いて気持ちいいと感じる音と
アリーナの巨大なスピーカーを爆音で鳴らして
気持ち良いと感じる音は
根本的に違うのです。
つまりそれは、
いくらでもコピーの出来る音源に
商品価値は無くなったとしても、
芸術的価値までは無くならない事を意味します。
音源に商品価値が無いからと言って
安上がりに、適当に音源を作ってしまっては、
それが大量にコピーされる
「音楽そのもの」というコンテンツの
質の低下を招きます。
確かに違法コピーというものは
音楽に拘らず、
それを作って生活をしている人たちの
基盤を脅かすものであります。
だからコピーの作れない
ライブで稼ぐという論理は分かるのですが、
そのライブでやる曲も
多くは音源があり、それを元にして
ライブバージョンを演奏するわけですし、
ライブだけで演奏されていたものにしろ
それを音源化するとなれば、
イヤフォンで聴いても良いと感じるような
音を作らなければならない。
人をライブに呼びたいのなら
やはりその根幹となる音源を
しっかり作らないといけないように思います。
たとえそれがコピーされて
商品価値が無くなってしまっても。
いや、商品価値がないからこそ
芸術的価値を高めるべきなのだと思うのです。
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