MDNAを聴いた

マドンナの新しいアルバム、「MDNA」
ようやく購入して聴きました。
マドンナの作品って
エレクトロ・ポップの最先端サウンドを
マドンナ流にフィーチャーしたから
みんな四の五の言わずに付いてきなさい!的な
方向性で、常に斬新な切れ味があって、
さらに90年代以降になるとその方向性が
より顕著に顕われて
エレクトロ・ポップというステレオタイプ的な
刹那的で軽いイメージを排除して
ポップスのくせにエラく骨太で
質の高い音楽を聴かせてくれるんですよね。
そうした良質なサウンドを提供してきたからこそ
ここまで息の長い孤高のアーティストとして
君臨し続けていられるのだとは思います。
だけど、今回のアルバムの場合
まあ、あくまで個人的な印象ではあるのですが、
どうも楽曲自体の持つパワー感に乏しく
安っぽい曲が多いという印象。
多分、コンセプト的には
前々作の「Confessions On A Dance Floor」の
延長線、発展型といった感じで、
いわゆる80年代のユーロビートをモチーフにした作風。
「Confessions On A Dance Floor」の発表時に
この手のサウンドは新鮮だったのですが、
今これをしても
あれ?レディ・ガガから影響受けちゃってる?
って感じの、使い古し感が否めないのですよね。
もっともレディ・ガガの芸風そのものに
マドンナ的な要素があるのだから、
マドンナ自身がそれをやったところで
それはやっぱりマドンナのオリジナルサウンドでしょ
と言われればそうなんですが
今回のアルバムは
サウンドメイクのエクストリームを
ストイックなまでに取り入れる姿勢というより、
そのエクストリームの後追いをしているに過ぎない
というのが正直な「MDNA」の印象。
何と言うかアグレッシブさが感じられないんですよね。
リスナーに迎合するあまり守りに入っちゃったような
そんなサウンド。
とまあ、かなり辛口な寸評を書いてはみましたが
それでもやはり、一流のサウンドには変わらないです。
マドンナのアルバムは常にハイクオリティなので
僕の中で彼女の作品に対する
期待値というかハードルが凄く高くなってるんですよね。
ただそれだけの事なのかも知れません。