ておくれ

先週、紹介した本、
「ソフィーの世界」を読んで思ったことがあります。

「ソフィーの世界」を軽くおさらいしておくと、
早い話が、人類が2500年かけて
この世とはとか、人間とはとか、
物とは一体なんなのか、
そういった疑問を考え抜いた
歴史を分かりやすく解説した本です。

そしてこれを読んで思うところ結局、
人間というのは
恐らく産業革命以降、
資本主義が発展していくとともに、
哲学的な模索をする事を
やめてしまったのだろうなと感じるのです。
そして、哲学を考えないから
その先に到達する
「倫理」にさえたどり着けない。

確かに産業社会は100年かけて
驚異的な進歩を遂げました。
そして科学もまたそれに比例するように
進化もしました。

人類が、この世の理を解明し
より真理に近い賢さを獲得する事は
悪い事ではありません。

ただ問題なのは、
産業に利益をもたらさないものは軽んじられ、
奪う事で得るという構造が
あまりにまかり通るようになってしまった
その一点に於いて、
人類はやはりその在り方を
完全に間違え、そして
人たる本質すら履き違えてしまったようです。

本当は、科学技術が進歩し
産業が効率的に発展していくのに合わせて、
つまり分かりやすく喩えるなら、
いかに性能の良い機械を開発できるかを
考えると同時に、
それが巡り巡って本当に
人類の益となるのかを熟考すべきであるのに、
目先の利益を優先してそのバランスを
考えないまま、
どんどん歪な形に進化していったのが
今の人類の姿だと思うのです。

人類が唯物論のみを追求した代償として、
唯神論的方向の概念について
人類が考えるべき物事、事柄が
宿題として山積みになっているのが、
今の人類と、世界なのです。

まだ残っている宿題は半分もあるのです。

人間は、自然の摂理という目線から、
いよいよ落第を突きつけられそうな気がしています。

きっともう間に合わない。