ソフィーの世界(最もわかりやすい哲学書)

この本、
10数年前話題になったのを覚えています。

ごめなさい。
最近これを読むまで
ずっと怪しい本だと思ってました(笑)

読めばびっくり。
ファンタジーという物語で演出された
ものすごくわかりやすい
哲学史の解説書です。

そして、読む前にこの本に抱いていた
胡散臭い(あくまで個人的にです)イメージとは
裏腹に、その内容は実に
正当かつ濃い中身ものもでした。

600ページ超の分厚い本です。

けれど、人間の哲学の歴史というのは
2500年以上も前まで遡り、
そこからの積み重なりで成り立っているので、
どうしても、哲学の何たるやを
一から順を追って2500年分の説明するには
これほど分量でも、むしろコンパクトなほどです。

しかし、若干長丁場になる部分を
物語の部分で飽きさせないよう、
そして人間の哲学観の本質を示唆するような形で
仕掛けがされているので、
それほど長いとは感じません。

本という「物体の重量」は重いですが・・・。

この本でも言われていることなのであり、
僕も日頃そのように思って
ブログをしたためているのですが、
哲学というものは
あくまでスピリチュアルだのオカルトだのとは
まったく別次元のものであるけれど、
見据える視野の方向は同じであり、
それは人間の内面の考察によって
心理を紐解こうとする行為であると考えています。

前述のスピリチュアルやオカルトだのというものは
僕からすれば、人の本質の上っ面の
耳障りのいい甘ったるい部分だけを取り出して、
あるいは人の弱い部分に付け入って、
お金を取るビジネスだと思っています。

例えば、人の心の所在や
魂の存在というものは、
いかようにしてその存在を認められ、
やがて、いかようにして
軽んじられていったかという
人の精神活動の歴史、根拠、論拠が
まったく抜け落ちているのが
スピリチュアルだのと言ったものだと
僕は思うのです。

例えばなぜ、人が輪廻転生するという概念があるのか。
そして、そういう概念は
どういう世界観があって生まれたものなのか、
そのルーツたる礎をしっかり認識していないと
オカルトだの新興宗教や自己啓発に嵌って
散在しかねない。

まあ要するに、
キリストや釈迦を真似ても
人間は神になれないということです。

では、神ではない己の精神とはなんなのか。
そこを知る道のりで
いつしか人は「初めに思い浮かべた神」を
超える概念を会得していくようになるのだけれど。

そこを問うことこそが哲学であり、
ある種健全なスピリチュアリズムであると
僕は考えるのですが。

古本なら¥1ポッキリ!