レスポールジュニアのピックガードを自作する作戦

※この記事は2018年3月25日に再編集されました

先日オークションで落とした
レスポールジュニアの2号機の話。

ちなみに僕が普段ライブで使っているジュニアは
白なのですが、
今回は黄色。いわゆるTVイエローと言う奴です。

写真 2014-08-19 17 38 20

このギターがどのような
いきさつでうちにやって来たかは、
また後日にいたしまして、
とりあえずこの2号機。

準備編

色がこういう色だけに、
ピックガードはべっ甲がいいなと思い
パーツは売ってないものかと探したのですが、
レスポールジュニアのピックガードは
別売りで売っていない感じで、
またピックガードをショップとかに制作依頼をすると
それはそれで高くつきますし、
ならばいっその事自作してしまおうというのが
今回のミッション。

ジュニアのピックガードは、
ネジ穴以外の穴は無く、部材を切り出すだけですし、
ネットでピックガード自体の作り方を調べてみると、
これなら僕でも出来るような気がしたので、
この作戦を実行する事にしました。

まあ、いっそ自作するのであれば
とことんコストを安く上げよう(肝心のピックガード材は別として)
ということで、
家にある工具で出来る限りまかなうのが
今回のコンセプト。

とは言っても、ピックガードのような
分厚いアクリル板を切断するような工具は持っていません。
けれど、趣味のプラモデル←のための工具なら
多少は持っています。
これでなんとかしてというのが目標です。

という訳で、手をつけ始めないと
永遠にやらない気がしたので(笑)、
何はともあれ、ジュニアのピックガードを
外しました。
うん、ドラえもんの白い部分を外すと
こんな感じっぽい・・・。

写真 2014-08-26 17 31 43

ピックガードの型取り

外した以上はもう、後戻りは出来ません。
という訳で今日は
ピックガードの型取りをしました。

写真 2014-08-26 17 48 05

型紙に使ったのは、クリアファイルの
透明の薄い板です。たぶんPET素材あたりだと思われます。
ピックガードをこれにテープで貼付けて固定します。

そして、上の写真の右中央にある
模型用のエッチングソーという、
小さなのこぎりで透明の板に
ピックガードの型に沿ってけがいていきます。

写真 2014-08-26 17 57 01

こんな感じで。

次に、このけがいた線に合わせて
板から型を切り出していきます。
普通にハサミ(模型制作に使ってます)で大まかに切り出し、
デザインナイフでさらに細かく
慎重に余分な部分を切っていき、
切った部分を軽くサンドペーパーで馴らしました。

で、切り出したのがこれ。

写真 2014-08-26 19 04 37

見にくいですが、ネジ穴も
2mmのドリルでとりあえず開けてあります。

試しにギターに付けてみます。

写真 2014-08-26 19 05 33

透明なので、見にくいですが・・・。

部材の切り出し

さて今度は実際にピックガード材から
型紙に合わせて切り出す作業をします。

まずこちら。
写真 2014-08-31 12 58 43

ピックガード材。

べっ甲、ミント、黒、ミントの
4プライ(4枚重ね)ものです。
大きさはA3サイズです。

レスポールジュニアのピックガードの大きさ的に
4枚取れるくらいの大きさがありますので、
失敗しても、予備はあるのでとりあえず安心。

部材を4分割して、
部材の裏面に前回作製した型を貼って固定します。
そして輪郭のガイドをマジックでトレースして描きました。

写真 2014-08-31 11 02 55

こんな感じで。

簡単なようで、
プラモデル用の←のこぎりでは小さ過ぎて、
A3サイズの部材を切り出すのは一苦労です。

工場とかにある電動の糸鋸があれば
あっという間なのでしょうが・・・。

でも、なんとかここまで切り出しました。

写真 2014-08-31 12 10 37

さて、ここからがもっと大変。

輪郭に合わせてさらにカットしていかなくてはいけません。
のこぎりでは無理なので、
ヤスリが必要です。
手で60番のペーパーを使って削ってみたのですが、
これは仕上がるまでに気の遠くなる時間がかかる感じですし、
少しずつ削っていくのは
ピックガード材表の保護シートまで痛めてしまうので
手でちまちま削るのは危険と判断し、ここで中断しました。

う〜ん、そろそろホームセンターに行くタイミングだろうか・・・。

やはり機械の力を借りるしかない・・・(余談)

のこぎり(プラモ用・・・)で大まかに切り出したものの、
さすがにここから先は
電動の糸鋸や、一気に削る事の出来るヤスリがないと
無理だと思って、また後日、ホームセンターに道具を見に行こうかと
思っていたのですが、
家の今は亡き父が仕事で使っていた作業場に
電動の大きなヤスリがあった事を思い出しました。

そうは言っても、もう10年以上も使われず(ともすれば20年?)
ホコリの堆積する、半ば遺跡と化していた場所にある機械ですし、
動かないだろうと思ったのです。
下のような機械です。名前も知りません・・・。
写真 2014-08-31 14 48 18

近くのコンセントにプラグを繋いで
スイッチを入れても動きません。
コンセントに電気が来ていないようなので
違うところから電源を引っ張って来て
スイッチを入れたら、
バチッという音とともに火花が散って
何やらビニールの焦げたような嫌な臭いが・・・。

ヤスリのモーターは回るのですが、
削るのは厳しいほどの弱々しさ。

スイッチを何度もぐりぐりと動かして
その度にばちばちと火を噴きつつ、
火と電気に怯えながらも
スイッチを入れたり切ったりしていたら、
突然「ウィーン!!」という轟音を立てて
勢いよくモーターが回り始めました!

<余談以上>

反則的に部材を削り出す

もの凄く前置きが長くなりましたが、本題です。

この電動のヤスリの威力は大きく、
下手に触ったら大怪我するくらいのパワーです。
怖いので分厚いゴム手袋をして作業をしました。

削れる削れる!!

ものの10分程度で、ここまで削れました!!
写真 2014-08-31 14 48 30

ちなみに、削る前がこれ。
写真 2014-08-31 12 10 37

やはり、細かい削り出しには電動のヤスリは必要だと思います。

ちまちま手で削るのは、とてもじゃないけれど
時間がかかりますし、
何より前回も話しましたが
板面表側の保護シートが剥がれたり、破れたりして、
奇麗に仕上げる事は出来ないと思います。

ダイソーでリューターに付ける
ごつい鉄のヤスリを見かけた事があります。
せめてこういうのが必要なのでしょう。

あらかた削り出したあと、
今度こそ手でやすっていきます。
鉄のヤスリと#60のペーパー、リューターを
場所によって使い分けながら削って
切り口を整えていきました。

写真 2014-08-31 14 50 03

一度、ボディに形を合わせてみて、
さらに修正を加えて、
いい感じになったところで#120のペーパーで均しました。
プラモデルだと最終的に最低でも#800まではペーパーがけするのですが、
今回のピックガードの、ギブソンオリジナルのものは
断面を斜めに削るテーパー処理もされていない
結構切り口も荒い感じなので、
#120まででも充分な感じでした。

パーツの噛み合わせも確認したところで、
2mm径のバイスでネジ穴を開け(この位置決めは失敗できない)、
ネジ穴には上にも出てきたテーパー処理を
リューターを使って施しました。
しなくても良いのでしょうが、
一応元々ついていたネジ(ビス)が
ネジの頭がすり鉢状になっている
テーパーネジと呼ばれるやつでしたので。
リューターでぐりぐりやると簡単に出来ます。

写真 2014-08-31 16 08 39

ネジも付けて取り付けOK!!

写真 2014-08-31 16 21 47

最後に型紙と完成品。

もうこれを切り出す事も無いと思いますが、
一応記念に後生大事にとっておきます(笑)