※この記事は2018年3月25日に再編集されました
先日オークションで落とした
レスポールジュニアの2号機の話。
ちなみに僕が普段ライブで使っているジュニアは
白なのですが、
今回は黄色。いわゆるTVイエローと言う奴です。
このギターがどのような
いきさつでうちにやって来たかは、
また後日にいたしまして、
とりあえずこの2号機。
準備編
色がこういう色だけに、
ピックガードはべっ甲がいいなと思い
パーツは売ってないものかと探したのですが、
レスポールジュニアのピックガードは
別売りで売っていない感じで、
またピックガードをショップとかに制作依頼をすると
それはそれで高くつきますし、
ならばいっその事自作してしまおうというのが
今回のミッション。
ジュニアのピックガードは、
ネジ穴以外の穴は無く、部材を切り出すだけですし、
ネットでピックガード自体の作り方を調べてみると、
これなら僕でも出来るような気がしたので、
この作戦を実行する事にしました。
まあ、いっそ自作するのであれば
とことんコストを安く上げよう(肝心のピックガード材は別として)
ということで、
家にある工具で出来る限りまかなうのが
今回のコンセプト。
とは言っても、ピックガードのような
分厚いアクリル板を切断するような工具は持っていません。
けれど、趣味のプラモデル←のための工具なら
多少は持っています。
これでなんとかしてというのが目標です。
という訳で、手をつけ始めないと
永遠にやらない気がしたので(笑)、
何はともあれ、ジュニアのピックガードを
外しました。
うん、ドラえもんの白い部分を外すと
こんな感じっぽい・・・。
ピックガードの型取り
外した以上はもう、後戻りは出来ません。
という訳で今日は
ピックガードの型取りをしました。
型紙に使ったのは、クリアファイルの
透明の薄い板です。たぶんPET素材あたりだと思われます。
ピックガードをこれにテープで貼付けて固定します。
そして、上の写真の右中央にある
模型用のエッチングソーという、
小さなのこぎりで透明の板に
ピックガードの型に沿ってけがいていきます。
こんな感じで。
次に、このけがいた線に合わせて
板から型を切り出していきます。
普通にハサミ(模型制作に使ってます)で大まかに切り出し、
デザインナイフでさらに細かく
慎重に余分な部分を切っていき、
切った部分を軽くサンドペーパーで馴らしました。
で、切り出したのがこれ。
見にくいですが、ネジ穴も
2mmのドリルでとりあえず開けてあります。
試しにギターに付けてみます。
透明なので、見にくいですが・・・。
部材の切り出し
さて今度は実際にピックガード材から
型紙に合わせて切り出す作業をします。
ピックガード材。
べっ甲、ミント、黒、ミントの
4プライ(4枚重ね)ものです。
大きさはA3サイズです。
レスポールジュニアのピックガードの大きさ的に
4枚取れるくらいの大きさがありますので、
失敗しても、予備はあるのでとりあえず安心。
部材を4分割して、
部材の裏面に前回作製した型を貼って固定します。
そして輪郭のガイドをマジックでトレースして描きました。
こんな感じで。
簡単なようで、
プラモデル用の←のこぎりでは小さ過ぎて、
A3サイズの部材を切り出すのは一苦労です。
工場とかにある電動の糸鋸があれば
あっという間なのでしょうが・・・。
でも、なんとかここまで切り出しました。
さて、ここからがもっと大変。
輪郭に合わせてさらにカットしていかなくてはいけません。
のこぎりでは無理なので、
ヤスリが必要です。
手で60番のペーパーを使って削ってみたのですが、
これは仕上がるまでに気の遠くなる時間がかかる感じですし、
少しずつ削っていくのは
ピックガード材表の保護シートまで痛めてしまうので
手でちまちま削るのは危険と判断し、ここで中断しました。
う〜ん、そろそろホームセンターに行くタイミングだろうか・・・。
やはり機械の力を借りるしかない・・・(余談)
のこぎり(プラモ用・・・)で大まかに切り出したものの、
さすがにここから先は
電動の糸鋸や、一気に削る事の出来るヤスリがないと
無理だと思って、また後日、ホームセンターに道具を見に行こうかと
思っていたのですが、
家の今は亡き父が仕事で使っていた作業場に
電動の大きなヤスリがあった事を思い出しました。
そうは言っても、もう10年以上も使われず(ともすれば20年?)
ホコリの堆積する、半ば遺跡と化していた場所にある機械ですし、
動かないだろうと思ったのです。
下のような機械です。名前も知りません・・・。
近くのコンセントにプラグを繋いで
スイッチを入れても動きません。
コンセントに電気が来ていないようなので
違うところから電源を引っ張って来て
スイッチを入れたら、
バチッという音とともに火花が散って
何やらビニールの焦げたような嫌な臭いが・・・。
ヤスリのモーターは回るのですが、
削るのは厳しいほどの弱々しさ。
スイッチを何度もぐりぐりと動かして
その度にばちばちと火を噴きつつ、
火と電気に怯えながらも
スイッチを入れたり切ったりしていたら、
突然「ウィーン!!」という轟音を立てて
勢いよくモーターが回り始めました!
<余談以上>
反則的に部材を削り出す
もの凄く前置きが長くなりましたが、本題です。
この電動のヤスリの威力は大きく、
下手に触ったら大怪我するくらいのパワーです。
怖いので分厚いゴム手袋をして作業をしました。
削れる削れる!!
やはり、細かい削り出しには電動のヤスリは必要だと思います。
ちまちま手で削るのは、とてもじゃないけれど
時間がかかりますし、
何より前回も話しましたが
板面表側の保護シートが剥がれたり、破れたりして、
奇麗に仕上げる事は出来ないと思います。
ダイソーでリューターに付ける
ごつい鉄のヤスリを見かけた事があります。
せめてこういうのが必要なのでしょう。
あらかた削り出したあと、
今度こそ手でやすっていきます。
鉄のヤスリと#60のペーパー、リューターを
場所によって使い分けながら削って
切り口を整えていきました。
一度、ボディに形を合わせてみて、
さらに修正を加えて、
いい感じになったところで#120のペーパーで均しました。
プラモデルだと最終的に最低でも#800まではペーパーがけするのですが、
今回のピックガードの、ギブソンオリジナルのものは
断面を斜めに削るテーパー処理もされていない
結構切り口も荒い感じなので、
#120まででも充分な感じでした。
パーツの噛み合わせも確認したところで、
2mm径のバイスでネジ穴を開け(この位置決めは失敗できない)、
ネジ穴には上にも出てきたテーパー処理を
リューターを使って施しました。
しなくても良いのでしょうが、
一応元々ついていたネジ(ビス)が
ネジの頭がすり鉢状になっている
テーパーネジと呼ばれるやつでしたので。
リューターでぐりぐりやると簡単に出来ます。
ネジも付けて取り付けOK!!
最後に型紙と完成品。
もうこれを切り出す事も無いと思いますが、
一応記念に後生大事にとっておきます(笑)