今日はこのギター。
レスポールジュニアについて語りたいと思います。
ちなみに今回のレコーディングで、
このギターを使ったトラックは既に完了しております。
このギターの歴史は古く、
たしか1950年代半ばにまでさかのぼります。
もともとはレスポールの廉価版として開発されたもので、
いろいろな箇所でコストダウンを図り
当時と今とでは物価が全然違うものの、
当初はたった45ドルで売られていたというのは凄いです。
ただ、このコストダウンによる再設計が
きっと奇跡的なバランスをもたらしたのでしょう。
結果的に出音が実に味のある
唯一無二の音となりました。
僕が初めてジュニアを家に迎えて
アンプを通して弾いた時の感想は、
「とにかくレスポンスが良い」という事でした。
ピックングして音が出るまでの、
それこそ千分の一秒単位での
タイムラグが非常に短く感じられました。
今も現役ですが、当時メインで使っていた
フェンダーのジャズマスターで使い慣れていると、
そのレスポンスの良さは如実に体感できました。
とは言っても、
フェンダーのジャズマスターがレスポンスが悪いわけではなく、
むしろ多分、
レスポールジュニアのレスポンスが特別に良いのかも知れません。
それは設置されている電気回路が必要最低限のみで、
かつ配線もほぼ最短に繋がれているからなのだと思います。
そして「P-90」と呼ばれるピックアップ。
このピックアップはきっと、いわゆる
典型的な「エレキ」の音で、
古典的ではあるものの王道たる音がするのですが、
1枚の木材から切り出されたボディーと合わせると
非常にプレーンな音が出ると感じます。
レスポンスとも相まって、
まるでまさにギターをつま弾いているように弾けます。
スペックがピックアップ1基、
1ボリューム、1トーンなので
ギターでの音作りにあまり自由度が無いように
思えるかも知れませんが、
回路自体が非常にシンプルなので
ボリュームやトーンのツマミを回すと
がらっと音が変わります。
ボリューム、トーンを全開にすれば、
歯切れがよくゲインも高く
ロックに最適(特にパンクとか)なサウンドが得られますし、
両ツマミを絞れば、
よくP-90の載せてあるセミアコの
フロントピックアップのサウンドと
充分同じステージで比べられるくらいのサウンドが鳴ります。
ブルース、ジャズでも全然使えます。
このジュニア、僕的には
エレキギターでありながら
アコースティックギターに近い扱いで弾くのが
いちばんこのギターのポテンシャルを
活かせるではないかと思います。
そして何より、暴れ馬です。
音が暴れるだけに、
乗りこなせるようになると
そこいらのエレキギターで
エフェクターを使うのとはまた次元の違う、
音色の表情のバリエーションを
自在に使えるようになってくるのです。
この辺りのトーンを
意図的に弾き方で作れるようになると、
非常にこの楽器、レスポールジュニアの
奥深さを実感できます。
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