Rule Of Roseというゲーム

TVゲーム。
もう全然やってないですね。
去年、中古のドラクエを買ってやったきり、
コントローラーというものに触ってません。
というか、正直
コントローラーを持つ事自体
もう怠い・・・。
多分、僕は元々TVというものをするのは
大して好きではないのだと思います。
それでも、かれこれ
10数年以上前、
ちょうどプレステやプレステ2が
全盛期だった頃は、
当時付き合いのあった友達と
徹夜で格闘ゲームとかしたものです。
そんな僕がゲームをやらなくなったのは
多分、プレステ2の
「Rule Of Rose」というゲームを
知ってしまったからだと思います。
このゲームを体験してしまった事で
もうTVゲーム自体をする事が
馬鹿らしくなったのです。
ゲームよりも、
サイコスリラーの小説を
絵付きで読んでいる。
そんな印象のゲームでした。
内容は、
1930年代に起きた
猟奇的な殺人事件(架空)が
物語の軸となっていて、
その事件と主人公(操作する自分)との
関連性が、おぼろげながら
分かってきた辺りで、
ゲームはクリアとなります。
果たしてその殺人事件は
どのような経緯で起きて、
どういう末路を辿ったのか、
それを知るにはもう1回ゲームを
最初からやり直して、
前提となる基礎知識の無い1周目では
それが意味のあるものであると気づかなかった、
壁などにかかれた落書き、
机の中にしまってある誰かの日記、
そして巻き起こるイベント、
そうしたものを「自分で考察」する事によって
その真相が理解出来るというものだったのです。
つまり、このゲームのクリアは
ゲームの中を越えて
ゲームをする人の推理によって、
委ねられているのです。
そして僕も2周目以降、
主人公が行ける場所、見る事の出来る所、
調べられる所、あらゆる物事から
その断片を集めて時系列でまとめていきました。
これが一番面白かったです。
もう、TVゲームの枠を越えた真の謎解きでした。
そうして得られた事件の真相が見えたとき、
それまで主人公があちこち行き来していた
場所や出来事は、
実は主人公の「その殺人事件と関わりのあるトラウマ」
という内的世界であって、
そこに存在するもの全てが、
主人公の幼少期にリンクするメタファーで
あった事に気づきます。
そしてその主人公の内的世界に沈んだトラウマは、
いわゆる社会問題とされるような
持続的な「いじめ」の類いではなく、
多分、万人が幼少期に体験したであろう
ちょっとした「からかい」や「いじわる」によって
受けた傷を、操作している人間の心から
リンクさせて浮かび上がらせます。
このあまりに手の込んだ世界作りに絶句しました。
これはゲームじゃない。
文芸作品と言った方がしっくりくる。
そして、ゲームなどするのは
アホらしいという結論に達して今に至ります。
ある意味、ゲーム脳を現実に引き戻してくれたと言っても
良いのかもしれません。
そしてなにより、BGMが美しいのです。
ピアノと弦楽四重奏による前衛的な音楽は
ゲーム以上に魅力的で、
サントラが欲しくなり探したのですが
こんな「ド」が付くほどマイナーなゲームに
そんなものが出ているわけも無く、
『違法ですが』ゲームのディスクから
音楽だけを抜いて、
自分でサントラを作ってしまいました・・・。
『違法』ですよ、これ。
取り締まるなら、今からでもサントラを出せ。
このゲームの主題歌が秀逸。
ゴミ塵のように軽く薄っぺらい
ゲーム音楽や、アニソンなぞ蹴散らしたくなる出来映え。
ただのゲームの主題歌に留めておくのがもったいない。
下の唄だけでも聴いて、その良さを知って欲しいです。
↓「Rule Of Rose」のオープニング映像。(主題歌入り)

これ、ビデオテープに録画したものを
パソコンに取り込んだのでしょうか???
微妙に早回しでピッチが高い・・・。
プレステ2も生産終了になっちゃうみたいですし、
うちもプレステ2は壊れて捨てちゃったし、
もったいないなあ・・・。