勝者の足元

Ace of Pentacles・・・
勝ち得た栄光は
誰もものなのでしょう。
どんな場合でも
勝ち得た栄光と言うものは
自分一人では
その手に出来ないものなのです。
例えば、あなたが勝者だったとします。
その栄光の陰で
あなたを支えてくれた人はいませんか?
もし、それを勝ち得る為に
その身を賭したのが、
あなた自身、たった独りだったとしても、
そのあなたの勝利たらしめるため、
屈する事を選んだ
勇気ある敗者がいるのです。
その勇気ある敗者の存在があってこそ、
はじめて、あなたの勝ち得たものに
意味が与えられるものなのです。
だから勝ち得た勝利と言うものは、
自分一人の力だけでは
得る事は出来なかったと言う事を
胸に留めておくべきなのです。
勝者は、
敗者の屈した骸の上に立ってこそ
勝者であるのです。
華やかな勝者の世界。
全てが輝きを放つ華やかな世界。
その踏みしめる足元には
省みられる事さえない
多くの敗者の骸の山によって
支えられているものなのです。
勝者が傲慢になり、
そうした輝く事のなかった
敗者に想いを馳せぬままでいると、
あっという間に、
その足元から
敗者の骸の手がその足を掴み、
その骸の山から引きずり落とそうと
してくるものなのです。
だから華やかな輝きの陰に
埋もれた人たちの事を、
時には思い遣って欲しいのです。
そして忘れないでいて欲しいのです。
勝者と言うものは
敗者の骸の上に立ってこそ
勝者たらしめる必須の条件なのだと言う事を。