LVIII. 抱きなさい

抱きなさい。
その胸に大きな志を。
その胸に切なる想いを。
その胸に熱き情熱を。
それらこそ、
人が生きる原動力そのものなのです。
そしてそれら想いは、
生きる歓びに集約されてゆきます。
つまり、
志すものがあるからこそ、
胸に切なさを秘めているからこそ、
たぎる情熱を宿しているからこそ、
生きている事は
悦びに満ちているのです。
そうした
「生きる歓び」を持たない人生など
死んだ人生です。
人は
「生きた人生」を生きる義務があります。
なぜなら、
歓びを表現する事こそが
人生に於いて
もっとも尊い事であり、
その為に生きているし、
存在もしているのです。
存在自体が「歓び」
でない人生こそ、
死んだ人生なのです。
そして、そうした
様々な形をした
「歓び」を胸に抱いて
生きていく事こそ、
真に人生を生きたと
言えるのではないでしょうか。