歓びの価値

S.7
人は時に
悲嘆にくれ、失望し
この先
行くべき場所を
見失う事はあるものです。
悲嘆にくれた時、
その悲嘆に身を投じ
それを存分に味わえば良いのです。
失望した時、
その失意に身を投じ
それを存分に味わえば良いのです。
悲嘆や失意が無ければ
知り得ないものがあります。
それが歓びです。
歓びを味わうには
正反対の失意や悲嘆を
経験しなければ、
その尊さが分からないのです。
歓びだけの存在する世界を
想像してみてください。
そこに歓びを見いだす事が出来るでしょうか。
全てが歓びである時
歓びは、
歓びではなくなるのです。
言ってしまえば、
人の幸不幸というものは
相対的なものであって、
何かと比べなければ
その違いが分からないように
出来ているのです。
悲嘆や失意があるのは
歓びを味わう為なのです。
歓びを、真の歓びと思える為に
存在するのです。
なぜなら、
対比する失意や悲嘆が無ければ
歓びを見いだす事が出来ないからです。
白い色の中に
白い点を見つける事は出来ないのです。
背景が暗ければ暗いほど、
白い点は煌煌と
輝いて見えるものです。