焼かれる世界

無数の渦は
一つの大きな渦に収斂されていき、
かつて大空を泳いだ
大きなシャボン玉も、
小さな波の泡立となって渦の中へ。

最後に残るのは
渦の外か内かのどちらかだけ。

渦の内側はやがて次第に水気を失って
石灰となり、風化していく。

煮えたつ世界で
焦げ付いたものこそが
真実だど思っていると、
固まって動けなくなる。

風化していくまでの久遠の時を
ただ、こびりついたまま。

そして、この世界もまた
次第に凝結を始める。

混じり気のない者は気化し、
そうでない人は
そうでない分だけ気化できず、
こびりついて炭となり、やがて灰となる。

焼け付く。
世界が焼け付く。

燃える渦に濾し取られて
分断していく。


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