この世界はきっと、
いくら苦しみを取り除こうとしても、
いくら嫌悪を感じるものを取り除こうとしても、
見たくないものなど無くなってしまえば良いと思っても、
それらは消えないでしょう。
何故なら、そう言った
向き合いたくないものも、
また、歓喜すべき祝福も、
どこへ行こうが
その両方はそこに偏在するものだから。
故に、概念としての
天国や地獄という世界は
この世の実在はしないのだと思います。
在るのは、
それを天国と見る人と
地獄と見る人との
どちらかなのでしょう。
人が自分の主観で
そこが心地良い場所か
そうでないかを決めているに過ぎないのでしょう。
もしかしたら、
自分にとって天国だと感じる場所も、
別の価値観を持つ人からすれば地獄かもしれないし、
またその逆もあります。
直面する現実が天国か地獄かを決めるのは
あくまで自分なのです。
どれほど高尚な精神性を持っていても、
いや、持つほどに
地獄の概念は広がり増えるのかも知れません。
つまり地獄は増える。
それを叡智と呼ぶのでしょう。
そしてまた、そうしたものを認知しつつも
それは自分の選ぶ世界ではないと
明確な意思を持てる人が賢い人なのだと思います。
さらにそれより賢い人は、
地獄の中にその必然性を見出し
それすらも天国の一つであると
理解できるセンスを持っているのかも知れません。
こうして人の認識は拡大し、多様性を獲得し
精神は成長していくのでしょう。
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