知性という力学

Michael
人にとって
人をして人を育て、
人足らしめつつも
さらなる次の人へと
受け継げられるべきもの、
それこそが
知性なのではないでしょうか。
その知性とは時に
人を守る盾にもなりますが、
時にまた
人を新たな段階、変革へと先導する
聖なる松明にもなるのです。
しかし、
その知性が
人を傷つける刃物にもなるという
そんな性質も忘れてはなりません。
知性。
例えば知性とは言葉であった時、
その言葉は
人を育てもし、守り、そして
励ます力ともなるでしょう。
しかし同じ知性によって
発せられる
棘のある知性は、
人をどこまでも悲しませ、
苦しませ、痛めつけ、
最後にはその心を
粉々に打ち砕くだけの
力すら持ち合わせているのです。
それが知性。
知性とは力学。
知性とは
一見して物静かで
理知的な印象を与えがちですが、
実のところ
人の営みの
あらゆる物事を支配し、
その生活のそこここに
張り巡らせた
蜘蛛の糸のようで、
そこを伝い行く
輝く蜘蛛のように
人と人の間を行き来する
動的なものであるのではないでしょうか。