iRig Acousticでマンドリンを録音する!

専門的な話です。

現在、音源の制作中(まだプリプロ・・・)
なのですが、
1曲、マンドリンの音が入る曲があって、
録音をしました。

かねてより、
IK MULTIMEDIA社のiRig Acousticは
アコギなどを録音する際、
自宅録音でかなり重宝するというお話を
したいましたが、
その延長上としての話です。

物がただのマイクならいけるはず!

iRig Acousticは突き詰めていってしまえば、
ただのマイクです。
特別高性能を言うわけでもありません。
エレキギターなどの
磁力を使ったピックアップ
あるいはアコギのピエゾでもなく、
弦の材質も問いません。

ただこのマイクで拾った音を
専用のアプリを使って
キャリブレーションをし、
物理モデリング(かなんか・・)で
適正な音質に補正してくれるところがミソです。

一応、対応楽器は
スチール弦、ナイロン弦のアコギ、
そしてウクレレとなっていますが、
原理的にマンドリンだって
iRig Acousticが装着できれば
キャリブレーションされて
「使えるテイク」が録音できるのではないか、と。

ならば装着

原理的には可能でも、
このiRig Acousticが
マンドリンに装着できなくてはなりません。

前述の通り、
公証の対応楽器はアコギとウクレレで
これらの楽器はサウンドホールがあるもので、
マンドリンにこれは存在しません。
それにあたる「fホール(バイオリン式のやつ)」はあるので、
ここに取り付けられれば
全く問題ないのだけれど、
そうは問屋が卸さないだろうなと思っていたのですが・・・。

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卸してくれた♪(笑)

構造上、
ピックガードの下に潜り込ませる感じになるので、
つけにくいと言えばそうかもしれませんが、
別にそれで手間取るほどのものでもありませんでした。

あとはキャリブレーション

このマイクを装着して
音も拾えるようになったので、
今度はアプリでキャリブレーションをして
シミュレーター等に信号が行くわけですが、
ここからが、
iRig Acousticがマンドリンに完全に対応していない
理由になるかもしれません。

iRig Acousticの専用アプリで
キャリブレーションをする際は
はじめに楽器のタイプを選択する必要があります。
選択肢は公に対応している
スチール弦のアコギ、ナイロン弦のアコギ、
そしてウクレレ(ナイロン弦)。

まあ、適当に詐称すればいいし(笑)

ただ、上記の3つの楽器のうち、
マンドリンはどれの仲間でしょう?
と言う知能テストのような問いに突き当たります。
これができればIQ180的な(笑)

キャリブレーションのアルゴリズムは
何の物理的挙動を判別しているのか、と言う問題です。
これに関しては、
不明(調べればどこかに書かれているかもしれませんが)

楽器の大きさ、胴の大きさから考えると
答えはウクレレになるのでしょう。
しかし弦の響きとなると
マンドリンはスチール弦ですから、
答えはスチール弦のアコギということになります。

まあ別に、一生に1回、人生を決める選択でもあるまいし、
とりあえず、今回は
弦の材質から考えて、スチール弦のアコギを選びました。
もちろん、アプリで新しく別の
キャリブレーションファイルを作ることもできます。

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結論

結論から言うと、
iRig Acousticはマンドリンでも使えます。
録れた音も、普通にマンドリンの音ですし、
以前、ダイナミックマイク(SM57)を立てて
録音した時のものに比べれば
雲泥のレベル、S/N比を得られます。

ただ、アプリ側のモデリングの
プロセスやアルゴリズム的に見て
「正確なマンドリンの処理結果」ではないでしょう。
けれど別に、マンドリンのソリストじゃあるまいし(笑)で
かたがついてしまうようなレベルの話かもしれません。
マンドリンが笛の音に変わるようだったら考えるけど・・・。

余談

以前、このiRig Acousticと
そのアプリの無料版で
録音をして、レビューを書いたのですが、
その後、たまたま有料版も
期間限定で無料で落とせるタイミングがあったので
早速ダウンロードして試して見ました。

プリアンプ・シミュレーターに
SSLのもの加えて、
チューブのアンプ2種類が追加されていました。

以前、チューブのマイクプリの
音質にするために、
アウトボードのマイクプリ(シミュレーター)を
使っていたのですが、
その後、有料版のアプリのチューブアンプと
これまでの僕のマイクプリとを比較して
雑感として感じたことは、
iRig Acousticのアプリの方が
音抜けは良いし、多トラックのオケにも
馴染みやすい質の印象があります。

完全に好みでしょうが、
逆にここまで整った仕上がりの音だと、
かえって面白みがないように思えるのも
また欠点なのかもしれません。

まあ、防音などされていない部屋で
いかにノイズなく、
そしてマイクと楽器の距離と角度を
曲を通していかに変えずに弾ききるかで
ヒーヒー言っていた頃に比べれば
とてつもなく贅沢な評価だとも思えます。

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