イナモラメント

Innamorament(イナモラメント)。
以前の鮎’sセレクト!でご紹介した
ミレーヌ・ファルメールの
アルバムのタイトルです。
イナモラメント・・・、
古いラテン語で
『恋に落ちる状態』を表す名詞だそうです。
恋に落ちる事という状態に、
ちゃんと独立した名詞がついているって、
もの凄く素敵だと思いません?
いかにもラテン民族らしいです。
多分、言葉を分解すると
Inn-amora-ment
となるんだと思いますが
よく見比べてみると、
mement mori(メメント・モリ)
つまり「死を思え」という言葉を
構成するアルファベットが
似てると思いませんか?
「死を思え(メメント・モリ)」というのは、
人間いつ死ぬか分からない、
だけど必ず死は訪れる。
だからいつ死んでも良いように
悔いを残すような生き方はするなという
ラテン民族のことわざです。
イナモラメント、
すなわち
恋に落ちるという
きらびやかな言葉が落とす影には、
メメント・モリ
つまり「死を思え」という
啓示ををはらんでいる
そう思うと、
単なるアナグラム、言葉遊びも
哲学的になります。
イナモラメントとメメント・モリ。
恋に落ちたなら、
いつその恋が
消えて(死んで)しまってもいいように、
悔いを残さぬよう過ごすべし、
そう言ってるように
言葉が響いて鳴るのです。
恋なんて、いつ終わってしまうか分からない。
だからこそ、後回しにする事なく
今というこの瞬間、
愛おしいその人に
精一杯の愛を捧げる事の
大切さを教え伝えて
いるようにも思えるのです。
今、
互いに手を結んでいるそのうちに、
愛していると言ってしまおう。
次の瞬間には
結んだ手も
ほどけてしまうかもしれないのだから・・・。
あの時、素直になれたなら・・・。
あの時、勇気を持てたなら・・・。
あの時、気付いていたなら・・・。
悲しいかな、
恋は終わってしまうと
後悔という抜け殻だけが残ります。
「こい」が「羽化(うか)」をして
蝶となり、飛んで逃げていってしまうと、
そこに残るのは
こ(うか)い
のみなのです。
愛する人が
「昨日」という想い出を脱ぎ捨てて
明日に向かって
立ち去ってしまってからでは、
時すでにもう遅いのです。
だからこそ、
Innamoramentの中には
Memento moriが隠れている事を
知っておくべきなのです。
明日には、
愛する人はもう
いなくなっているかも知れないのだから・・・。
無意味なプライドや恥じらいなど
かなぐり捨てて、
今、この瞬間に
愛する人に伝えましょう。
「今、とっても愛している」と。
今、この瞬間に
精一杯、愛し抜くのです。
皆さんは最近、
イナモラメントしましたか?
もし、イナモラメントしているのなら
忘れちゃいけませんよ。
イナモラメントの影に潜む啓示を・・・。
そして寝る前には
愛する人にメールでもしましょう。
今という時が明日にならないうちに。
「愛してる。おやすみ」と。