ボクが化粧をする理由

「模索の代償」シリーズで
散々、自分が
ヴィジュアル系のバンドマンだった事を
カムアウトし、
プロフィール写真等で
しっかりメイクした写真を
たくさんアップしておいて
何を今更と言われそうですが、
以前の記事でも書いたように
あくまで僕自身は
自分の事を
今現在、ヴィジュアル系とは思っていません。
まあ、この時点で笑いたい人は
笑ってもらって構いません。
僕がメイクをする理由は
2つあります。
ひとつは以前から言っているように、
「美しいもの」を追求するその一環、
自分の魂の姿を具現化すると
ああいう姿になる、
その為のメイクという意味合い。
それともう一つ・・・、
これはもっと根が深いです。
僕はメイクしてなきゃ
ライブどころか、
普段、普通に人と話す事すら
できないくらい
病的な恥ずかしがりやなのです。
プライベートの写真を撮られる事も、
もの凄く嫌いです。
メイクをして
作品として演出をされた姿でないと、
絶対に写真には写りません。
だから、
学生時代以降の
僕のプライベートの写真は
一枚もありません。
僕の家には
メイクをしてライブをやっている
ギタリストとしての僕の写真しかありません。
そう。
メイクという仮面を被っていないと、
ステージの上で人前に立つことはおろか、
普通の生活さえも
ままならないのです・・・。
「素顔の自分」、いや、
「美しくない」自分をさらけ出す事が
たまらなく怖いのです。
だからメイクをして
演じ続けなければならない・・・。
これが二つ目の理由です。
僕は中学生の頃、
いじめられていました。
いじめられていたというか、
完全シカトされていました。
それがとても辛かった・・・。
唯一、自分の居る事が許された場所、
そこがロックでした。
ギターでした。
僕が中学生の頃というのは、
イギリスのニューウェーブと呼ばれる、
髪の毛をいろいろな色で染め、
髪の毛をつんつんに立てて、
男なのにメイクをしているバンドが
たくさんいて、
僕は、それを格好良く感じたのです。
それを見た僕は
彼らを真似るように、
いや、本当のところは
自分の心の核を傷つかせない方便として、
メイクという仮面を被る
という術を身につけたのです。
僕にとってメイクとは、
自分を守るバリアという意味合いもあるのです。
どうせ自分を隠すバリアを
身にまとうなら、
せっかくだから
自分の魂の姿に似せた方がいい。
だから僕はメイクをするのです。
どぎつい、インパクトのあるメイクはしません。
僕の場合、あくまでも
知性のある美しさを求めています。
それが僕の魂の姿だから・・・。
でも、僕自身がそんなだから、
例えば、
ヤマンバちゃんとか、
コスプレさんとか、
ヴィジュアル君とかの気持ちは
分からなくもないんですよね・・・。
一分、一秒でも
理想の自分でいられる、
いや、
自分の汚点や
コンプレックスから逃れられる
時間と場所が欲しい・・・、
少なくとも僕は
そういう思いで、
今までずっと着飾ってきましたし、
これからも着飾る事でしょう。
メイクをする事で
仮面を被らずにいたままだったとしたら、
多分、今
僕は生きていないと思うから・・・。
だからこそ、
ヤマンバちゃんとか、
コスプレさんとか、
ヴィジュアル君とか、
彼らを見ると
微笑ましく感じるのですよね。
だって、なんというか
その姿に、
もろい自分をひた隠しながらも、
必死で生きる歓びを味わおうとしている、
そんな振る舞いが見て取れて
とても愛おしく感じるから・・・。
もう、どんどんやって欲しいですね。
自分の本当の魂の姿を、
外側に向けて発信していって欲しいものです。
僕も、どんどん
外側に向けて
「美しいもの」を表現し続けていきますから・・・。
僕の歩いた跡に
花が咲くくらいにね。