正直、アイドル?ケッ・・と思ってた時もありました

ぶっちゃけた話をしますと、
それこそここ1年ちょっと前まで
「アイドル」という存在について
ケッ・・・と思っていた時期もありました。

あ、ただそう思っていた時期であっても、
「アイドル」と呼ばれる女の子や
取り巻きのオタクのお客さんに対して
否定的だったということではなく、
そういう構造の中で成り立っている
「ビジネスモデル」そのもの自体に対して
ケッと思っていたというのが
正確な言い方です。

ゆえに、
純粋(そうでもなさそうだが・・・)に
芸能に憧れを抱いて
夢に向かっている女の子を餌に
オタクの人から安い単価のグッズだの
チェキだので荒稼ぎしている様を見ると、
まして、90年代のインディーズブームの
ほんの端っこに引っかかっていただけにしろ、
当時の音楽業界の規模を
ある程度、内側から知っている身からすれば、
本当に学生の文化祭と
差して変わらないような規模の商売の仕方に
開いた口がふさがらない思いをした
時期があったのは事実です。

そもそも、じゃあ
お前は何様だ?という話なんですが・・・(笑)

ただ僕もそこから、
できる限り偏見を否定し
ありのまま、そこで成り立っている事実を
極力フラットに評価するに、
それだけ市場の規模がしぼんでしまっていることの
明確な現れでもあるのだなと
考えるようになっています。

全体としてみたとき、
市場の規模が相当に縮小している今なりの、
これがベストに近い方法論なのかなと。
派手に投資をしても
十分にそのリターンがある時代ではないですし、
ある意味、泥臭い利益の得方も
時代のものとして、肯定されるべきなのだろうと。

というか、
ここで「アイドルビジネス」まで廃れたら、
今度こそいよいよ本当の本当に
『音楽に金銭的な価値が付加されなくなる』
そいういう状況になってしまうでしょう。

現状、アイドルを名乗る女の子が
いなくなったら、
他に音楽を伝えるエバンジェリストはいないのです。

昔は、そういうエバンジェリストの役目を
いわゆる(古い意味での)ミュージシャンが
担っていたのでしょうが、
この人たちの世界も老いて、年々縮小して、
基本的に閉じた世界の内側、
つまり独自のエコシステムの中で
落ち着いてしまっている感があり、
古き良き時代には持っていた発信力も、
もう持っていないと感じます。

そもそも、本職のミュージシャンが
そのような状況なら、
音楽もミュージシャンと一緒に老いていくしか
ないのかも知れません。

こうして老いた市場は
若い女の子に介護されて
老衰していく晩節を迎えているのだと思います。

え?お前が見向きもされないだけだって?
いや、そこは棚にあげる(笑)
けれど、どのような立場であれ、
収益が生まれないのなら、そんな悲惨な状況にある僕と
大差ないんですよね。結果としては。

そう考えれば、音楽の世界全体から見れば
「アイドルビジネス」というのは
まだまだ、優良なコンテンツなのだろうと思えるし、
ここが潰れたら、他に無いよなという
話でもあったりします。

そして、とにもかくにも
音楽を制作、実演できるのなら
誰でもどんどんやっていかないと、
本当に音楽をする人はいなくなってしまうでしょう。

なんだかんだで、音楽を聴く人が
消えてしまったのだから、
ゆくゆくそれをやる人も
消える日も遠くないのだろうなと。