模索の代償#12

僕が飲んでいる
メジャートランキライザー(強力精神安定剤)と、
その副作用止めの薬の
飲み合わせが悪く、
対象のない不安と恐怖、
そして頻発するパニック発作に加え、
自殺願望まであらわれ、
実際にのたうちまわった
散々な2008年の正月が過ぎ、
副作用止めの薬を止め、
さらに抗不安薬が加わった事で
最悪にして劣悪な精神状態は
なんとか脱する事が出来ました。
しかし、依然として
頭は働かず、淀みきった沼のような
鬱々とした精神状態は
相変わらず続いていました。
それに加えて、
副作用止めの薬を
飲まなくなったせいもあるのでしょう、
体の痙攣はいっこうに収まる気配はなく、
話す声さえ震えてしまうという
身体症状は残ったままでした。
顔はむくみ、目つきもどんよりとし、
ぶるぶる震えながら、
ぼーっと一点を見つめたまま。
まさに廃人でした。
そうした精神症状と身体症状は、
メジャートランキライザーを飲みはじめてから
余計に酷くなったような気がしたので、
医師と相談し、
メジャートランキライザーを
断薬する事になりました。
しかし、この段階で僕の病気は
「統合失調症(精神分裂病)」とされていましたので、
このメジャートランキライザーを
断薬すると、
再び妄想や幻覚といった
奇異な精神症状が
顕われる可能性があったのです。
もしそうした症状が顕われなければ
それでよし。
顕われたなら、また別の薬で試して
様子を見ようという結論にいたりました。
それまで飲んでいた、
メジャートランキライザーが
自分の体から完全に抜けきるまでに
2週間ほどかかるそうです。
そして1週間、2週間、
自分の体から
メジャートランキライザーが
多分抜けきったであろうと思われる
時期に入っても、
懸念されていた、妄想や幻覚といった
奇異な精神症状は
顕われる事はありませんでした。
それ以降、
今この記事を書いているこの瞬間まで、
妄想や幻覚といった症状は、
一切顕われていません。
医師が言うには、
もし、本当に「統合失調症」であるならば、
薬を飲んで2、3ヶ月という早い期間で
幻覚や妄想の症状が治ることは
あり得ないそうで、
はっきりと独立した「統合失調症」では
ないだろうということでした。
そして、医師が下した診断は
現在、僕のプロフィールにも書いてあるように、
「非定型精神病」といって、
うつ病や統合失調症、躁鬱病などの
精神症状が少しずつ混ざり合って
症状が顕われる精神病、
もしくは、
統合失調症的な精神症状を伴う「うつ病」
であろう、というものでした。
こうして僕は、
「統合失調症」の治療から
再び「うつ病」の治療に切り替ったのです。
冬の季節は移り変わり、
桜の花の季節になっていました。
つづく・・・。