戦友のXP-50蘇生大作戦!!

お盆の最中、
うちではちょっとした騒動が発生しました。

長年使ってきたキーボードの
内蔵電池が切れて正しい動作を
しなくなってしまったのです。

写真に撮り忘れましたが、
液晶画面の文字が化けて、
正常な信号の通信もできていない様子。

ネットで出回っている有名な
二次創作の「ドラえもんの最終回」状態です。

起動時のメッセージは、
「バッテリーの電池がないぜ!」
の旨のメッセージと、
「ユーザー領域のメモリが壊れているぜ!」
の旨のメッセージ。

古いキーボードです。
ローランドのXP-50というやつ。
僕が20代の頃、打ち込みを始めた
はじめの頃から使っている
ともすればビンテージの域の古物(笑)です。

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僕も元々、これを中古で買ったのが
1996年とか、97年とかそれくらい。
僕の手に渡ってからでも20年経っているので、
その前も入れれば相当な代物かと思いきや、
発売年が1995年なので、
どっちみち20年ものなわけですね。

1995年といえば、
当時僕がやっていたバンドが解散し、
僕自身も、バンド活動から
打ち込みによる音楽制作に主軸を置くようになった
まさに僕の打ち込み元年でもあるわけで、
もはや僕にとってXP-50というこのキーボードは
僕のアイデンティティのコアであるのかもしれません。

さすがに今の僕の音源で
この音を聞くことはできませんが、
それでも、セカンドアルバム「パレードがくるよ」までは
弦楽四重奏のアンサンブルに
ソロ楽器を重ねて使っていました。
僕の場合、ネットに楽曲をアップするようになって以降、
つまり「ララ・ルミナス」以降は
そういう使い方がほとんどだったので
いわば、まごう事なきわが戦友と言って過言ではありません。

今も打ち込みの時の
コントローラーとしてのキーボード、
そしてメトロノームのクリック、
ガイドのベースライン、コードの音として
必要とされる余生を過ごしております。

XP-50とは?

XPシリーズの仕様としては、
預金通帳に桁が入りきらないくらいに
稼ぎまくっていた時代の
小室哲哉氏のサウンドの中核とも言える、
前身のJVシリーズの流れを汲んだ(互換性もある)
90年代後半の「あの音」がいろいろ入っています。

そんな僕とともに老兵となってしまったこやつが、
電池切れによって使えなくなってしまって
さてどうしたものかと考えて
ネットで調べたところ、
行き着いた答えは以下の点でした。

XPシリーズについて、

・生産終了品につき修理するにも基盤がない。

・通常、メーカーのサポートセンターに
電池を交換してもらうのだが、
たったそれだけのことで何千円も取られるらしい。

・内蔵電池は市販のボタン電池CR2032である。

・今でも(2016年現在)中古価格で
4万円くらいもするらしい(余談)

ということ。

いっそ、メーカーに交換依頼をするか、
あるいは、戦友を捨てて
新品のMIDIコントローラー(結構安い)になびくか?
と迷ったのですが、
さすがに200円の電池を交換するか
20000円程度のコントローラーを新調するかと
考えれば、200円の方を選ぶのが人情。

「バッテリーがないぜ!」のメッセージについては、
おそらくボタン電池を交換すれば解決するのだろうけど、
「ユーザー領域のメモリが壊れているぜ!」については、
バッテリの消耗によってデータが破損したのか、
バッテリとは別件で
機械自体がフィジカルに不具合を起こしているのか
分かりかねたのですが、
つい前日まで正常に動作しており、
また、特に壊れるような扱いもしていなかったので、
おそらくバッテリの消耗が原因だろうと
期待を込めた推測をして、
とりあえず電池を交換することにしました。

戦友の開腹

パソコンは何度か開腹したことはありますが、
今回、キーボード(シンセ)の開腹など
したことはありません(する機会もないし)

電池の交換のための開腹に当たって
一瞬躊躇したのが、
果たして素人がネジを外して大丈夫なのかという点。
腹を開けて60個超の鍵盤がバラバラバラ〜と
なってしまっては、後々の処置は
もはや苦行でしかありません。

最悪、ユーザーのメモリ領域の破損が
電池交換でも直らない可能性もあることも考え、
バラして壊れたら、その時だと
覚悟を決め開腹を決行しました。

XP-50の腹(下面)のパネルは
ゆうに20個はあるネジで止められています。

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どういう構造になっているか
わからなかったので心配しましたが、
案ずるより産むが易し。
なんのことはない、
普通にパネルを外して内部にアクセスできました。

四半世紀分も埃もついでにクリーニング。

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中央の基盤(多分メイン)に、あった!
こやつが内蔵バッテリーです。
赤い印がしてあるのは、
多分メーカーの印ではないかと、勝手に推察。

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電池摘出。

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反射して見えにくいですが、
確かに電池の型はCR2032。
この系統のバックアップバッテリーとしては
ベタな電池です。よく採用されています。

さて、交換します。

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うちの向かいが家電量販店で、
ここに引っ越してきて
良かったと思いました(笑)

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装着。
輝いてるぜ!

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おお、XP-50が復活した!

MIDIの送受信も正常に行われます。

けれど、破損したユーザーメモリは
復活できず、仕方がないので
イニシャライズをしました。

昔作った音色とかいっぱい入っていたんだけど・・・。

初期化したので設定し直したのですが、
タッチパネルでもない
ボタンプチプチの操作は
今となっては、劣悪な操作性です。

20年前は、こんなものが普通だったことに
年月を感じます。

というか、20年前もこの液晶パネルでは
さすがに操作はしづらかったです。
当時はパソコンで音色(パッチ)の
編集と管理をしていました。

余談

さて、このXP-50には
JVシリーズ互換の拡張音源ボードが
4枚搭載できます。

お好きな拡張ボード4枚プレゼント!
というサービス品の中古でした。

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スロットは右から左へ
AからDで、

A: Vintage Synth
B: 60’s & 70’s
C: World
D: Orchestral

うん、我ながら的確なセレクト。

神に導かれし選択だわ(笑)

この拡張カードの選択は、
明らかに今の僕のサウンドを予見しているわ(笑)

古き良き90’s・・・