作曲論

僕が曲を創るうえで意識的に
遵守しているポイントが幾つかあります。
まず第一に、まあこれは
歌詞にも当てはまる事なのですが、
絶対に必然性のない繰り返しは作らない
という事。
意味もなく、例えば間奏明けのサビなどは顕著に
誰もがやらかしがちなのですが、
無闇に繰り返す事は
楽曲を間延びさせ飽きさせる原因になるんですよね。
サビなどは楽曲のバランスをみて
不必要に繰り返す必要は無いと考えます。
もう一点は、特にプロでさえやりがちな事なのですが、
どんな楽曲でも判で押したように
楽曲の個性がそれを求めていないにも拘らず、
Aメロとサビの間にBメロを入れるという過ち。
Bメロを入れる際はよほど楽曲の方向性を
熟慮して慎重になるべきと考えます。
何故ならAメロとサビの間にもうワンクッション
メロディが入る事によって、
楽曲が本来持っていた筈の
瞬発力や明瞭さを削ぐ事になりかねないし、
ごく自然な楽曲の流れに水をさす恐れがあるからです。
変にBメロで溜めたり、じらしたりせず
Aメロで自然にテンションが上がるように
誘導していけばいいだけなのに
お約束だからと無理矢理Bメロをねじ込んで
損をしている楽曲が日本人のものには
本当に多いです。
曲を創るうえでのポイントを二つ
挙げてみましたが、
結局のところ作曲というのは
引き算なんですよね。
一つの石を彫り込んで彫刻を完成させるのと同じで。
目標とする音場の中で
何が必要な音で、何がそうでないかを
明瞭にイメージ出来ている事が
非常に大切であると考えます。