A=432Hzが歌いやすいわ♪

以前、ここら辺の記事
曲の基準のピッチとなる
チューニングを下げたという話をしました。
ラの音、A=432Hzに。
ヴェルディ・ピッチと呼ばれる
由緒あるピッチなのだそうな。

まあ、上記のリンクの記事にも書いたように、
僕がチューナーを使わずに
楽器をチューニングすると、
A=432Hzの基準でちょうど良くなるわけで、
僕の感覚としては、
チューニングを下げたというより、
自分の体感でしっくりくるチューニングに
「戻した」という感覚が近いかも。

現在制作している音源は
このヴェルディ・ピッチとされる
A=432Hzを基準に
楽器のチューニングしています。

それまでは、かれこれ10年以上
A=438Hzでやっていましたが、
その時と、今のA=432Hzのチューニングとで
比較すると、
色々と、和声のアンサンブルの印象は
結構違ってきます。

この辺りは、またそのうち
別の機会にお話しするとして、
ちょうど現在、
そんなA=432Hzでチューニングされた楽曲の
歌を録音しているというタイミングもありますし、
以前と、今回とで
どれほど変わったのか、というお話をしたいと思います。

まず、結論から言うと、
A=432Hzでチューニングされたバック、
つまりカラオケのことですが、
このチューニングがなされた
バックで歌うと、
歌がものすごく歌いやすいのです。

まあ、実際
1音の3分の1ほど
音は低くなっているので、
色々な声が出る諸条件が変わってくるわけで、
理屈の上で、違うのだろうなということは
理解できますが、
僕個人の体感としては
ものすごく大きく違いを感じました。

A=438Hzとかで歌っていた時より、
A=432Hzの方が
体のあらゆる部位の、声が共鳴するポイントが
明らかに増えたことは確かだと思います。
と言うか、
前のA=438Hzの時は
むしろ全然、響かなかったと言ってもいいくらいに。

自分の声が体に共鳴しないこと、
こればかりは、
持って生まれた声質の問題だと
諦めていましたが、
もともと僕が、感覚的にしっくりきている
A=432Hzを基準にしたら、
明らかに「体が鳴っている」ことがわかるのです。

これは収穫でした。

今までの高いチューニングの時より
楽に声が出るので、
喉などにも負担がかからず、
とにかく、録音が楽です。
むしろ、歌の録音が楽しいくらいに。

やっぱり、僕の体は
A=432Hzで鳴るようになっているのだと(笑)

ただ、ここで断っておかなくてはならないのは、
A=432Hzのチューニングで
誰しもが、声が出しやすくなると言うわけではない
と言うこと。

日本では一般的な
基準ピッチであるA=440Hzで
共鳴する体を持った人もいるだろうし、
それ以外のピッチで響く人もいるでしょう。
また、もともとは特定のピッチに共鳴しなくても、
訓練で、一般的なピッチで共鳴できるような
肉体を作っていく人の方が多いかもしれません。

整体の形状、体格や骨格、体のバランスや姿勢、
ともすれば肉付きまでも、
人それぞれ違えば、
その体に共鳴する音も人それぞれなのでしょうし、
まして、音楽的な規則性を持った音程に
都合よく体が共鳴することも稀です。

そして何より、最終的に
そうして出てきた声を
人が聞いて、本能的に
「好き」と感じるかとなると、
また別の次元の話になってきます。

けれど、
同じメロディ一つにしても、
少しピッチを変えるだけで
歌いやすくなったり、
ならなくなったりするのだな、と言うお話。