飛べよ熱気球

バーナーに火をつけて
飛べよ熱気球
天高く
重りを外せ
ひとつ
また
ひとつと
そうやって
ゆっくりと空に向け
浮かんでいくんだ
大丈夫
重りはひとつずつ
静かに丁寧に
外していけてるから
ほら
気付けば自然に
こんなに
高いところまで浮かんできたよ
眼下に広がる草原で
昨日までの
何人もの僕たちが
手を振って送り出してくれる
熱気球が潰れないよう
支えてくれていたのは
今、草原で手を振っている
過去のたくさんの僕たち
ありがとう
僕の昔たち
熱気球は舞い上がる
バーナーの火を絶やすな
ひとつひとつ
重りを外しながら
天高く
紺碧の空の梁を目指して
熱気球は
天高く
天高く昇っていく