冬空

灰色の絵の具を落としたような
冬の空を見上げて
いまだ来ぬ春に思いを馳せる
鉛色の雲にため息を吐くと
寒い曇り空を虚ろに見上げて
また俯いた
水鳥が空を渡れば
すっかりと
ひとりぼっちに
慣れてきたことに気付いていた
冷たい空気に
息は白く
心を許せるのは
ただ一つのマフラーだけ
冬の空を見上げて
いまだ来ぬ春に思いを馳せる
今年の春は
早くやって来るのでしょうか
それとも遅れてやて来るのでしょうか
冬の大気は
押し黙ったまま
ただ凍てつく微風で
身体を冷やす
春はまだ来ないのですか
もうずっと
季節は冬のままです
長くて寒い
冬のままです