人生は上書きするもの

XII othila・・・
アメブロのトップページの
右隅に、
「人生がリセットできたら・・・」
そんな掲示板があるのを
見つけました。
人生をリセットか・・・。
以前から何度も話しているように、
僕はその頃すでに
腸の難病を抱え、
完治する事はないと言う
事実を受け入れられませんでした。
もがくように
いろいろな事をしても
何もかもが上手くいかず、
そして全てが裏目にばかり出てしまい
僕はとうとう
ひきこもりになってしまいました。
ひきこもること以外に、
自分の存在価値を
見いだす事が出来なくなって
しまっていたのです。
その頃はいつも考えていました。
「人生がリセットが出来れば良いのに・・・」
と。
人生は意外と簡単に
リセットできます。
ひきこもって、
それまで繋がっていた人間関係を
全て断ってしまえば、
リセットが出来るのです。
僕が引き蘢りはじめる頃、
僕は音楽業界から完全に干され、
それでも自身のアイデンティティを
音楽に求め続ける故に、
他の一般の友人の価値観から
大きく逸脱し、
社会人として少しずつでも
出世をしていき、
いわゆる「大人」の会話に
ついていけなくなってしまっていたのです。
その時思いました。
僕の居場所はどこにもない、と。
そしてひきこもり、
部屋の電気も付けず、
誰とも、家族とさえも
一切口をきかず、
ベッドで横になったまま
動こうとしませんでした。
そんな毎日に僕はおもったのです。
「人生をリセットしたい」と。
でもそれはリセットというより、
「逃げ」だったんだろうなと
今考えてみると
そう思うのです。
周囲のごく常識的な
社会観念に
ついていけなくなったから
ひきこもる事で、
一般社会から
逃げていたんだろうなと
思っています。
「暗闇の中だからこそ光は見つけられるから・・・」
この一節が僕の心に明かりを灯した時、
僕はひきこもるのを止めました。
部屋の電気は夜になれば
ちゃんと点けるようになったし、
家族となら話も出来るようになりました。
そうなってから僕は、
ネット上で
「ララ・ルミナス」という名前で
楽曲の配信を始めます。
しかしこれは、
ひきこもりの
終焉ではなかったのだと
考えています。
相変わらず、社会の中に
自分の身を置く事はしなかったし、
そうする事が怖かったのです。
音楽を配信しながらも、
結局はまだ
ひきこもりの状態だったのです。
人との関係を
進んで構築しようという気が
全く起きず、
結婚して自立し家を出ていった
兄弟がお盆や正月に、
家に帰ってくれば、
僕はまた部屋の中に
ひきこもり、
絶対顔を会さないようにしていたのです。
相変わらず、
人を怖れていたのです。
しかし去年、
パニック発作を起こすようになり、
ようやく精神科の門を叩く事となります。
そして、向精神薬を飲む事で
少しずつ社会性、
つまり他人と関わるということが
出来るようになってきたのです。
まあ細かい事は
全てテーマ「鮎沢郁弥について」に
書いてあるので、これ以上
細かい出来事をここで語る事を
割愛させて頂きますが、
要するに、
僕が本当の意味で
ひきこもりから脱却できたのは、
精神科に罹るようになってからだった、
そう思えるのです。
薬のお陰で
社交性を取り戻しつつある
今こそが、
真のひきこもりからの
脱却だったの
はじまり
だったのではないかと思えるのです。
ただしかし、やっぱり
それは薬に依存した
脱却であるのでしょうが。
それでも、
自分自身の人生観を
前向きに捉える事が
出来るようになったのは、
僕にとっては大きな出来事だったのです。
最近、僕は
閉じこもった心を
解放し、
外へ外へと自分の居場所を
探しはじめ、
自分の外側に
自分の居場所を探しはじめています。
それまで怖れていた
人との交流も、
進んで出来るようになってきました。
そうすることで、
僕の人生の風向きが変わってきました。
いろいろなことが
僕の周りで起こるようになってきたのです。
ひきこもっていた頃には
まったく起こる事のなかったような
出来事をあれやこれやと
体験しはじめたのです。
この話の流れからすると、
「人生のリセットは出来る」
ということは可能であるように思えますが
実は、
「人生のリセット」は出来ないんですよね。
強いていうなら、
自身の人との関わり方を変える事が
「リセット」に相当する事なのではないか、
そう思えるのです。
人の人生とは、
時系列で秩序を持った順序で
流れるように時を進め、
身の回りや自分を変化させていく
そういう性質のものだと思うのです。
人生は「リセット」するものではなく
「チェンジ」するものであり、
その為には
「チャレンジ」が必要であるものであると
最近、思いはじめたのです。
今の僕は
「人生をリセットする」
必要はなかったと考えています。
だって人生経験を
ゼロに戻す事が出来ないから。
ひきこもろうが、
外に向けて自分を発信しようが、
それら自身の経験はすべて
僕の心の中に
しっかり幾重にも
積み重なるように
蓄積していくからです。
要は、その蓄積を
前向きに認めるか、
後ろ向きに否定するか、
自分がどこに意識を向けているかの
問題に他ならないんですよね。
あなたは自分の人生を
前向きに受け入れていますか?
それとも
後ろ向きに否定していますか?
人生にリセットはありません。
そこには上書きできる
自身の生き方があるだけなのです。