D.6/R
人は何故、
引き蘢ってしまうのか・・・。
その根底には
自信のアイデンティティの
崩壊が潜んでいます。
アイデンティティ、
それは
他者との関係性の中で
定義付けされるべきものの事で、
かつ
他者との比較による差異によって
形成される、
自我の境界線の事。
人は他者との関係性の中で
アイデンティティを構築出来なかった時、
すなわち、
自分自身を他者との関係の中で
見いだせなかった時、
引き蘢ろうとする性質を
持っているものなのです。
では何故、引き蘢るのか。
簡単に言ってしまえば、
自らの価値観を
共有出来る他者がいない時、
人は自信の内面に目を向けはじめます。
内向的になった自己は
さらにその心の内面を突き詰めはじめ、
その内面と言う膜の中に入りこみ
出てこなくなる。
これが引き蘢りの
初段階なのです。
価値観を共有出来る他者がいない時、
そのときは危険です。
自己を内向的にさせ、
その自我の内側から
出る事を拒むようになるからです。
今という現代。
価値観の多様性は
日に日に多岐に渡って
広がりを見せています。
その意味では、
同じ価値観を共有させる事が
いかに困難な事であるか
想像に難くないはずです。