XXXIII. 感じなさい

感じなさい。
この世のありとあらゆる
物の中に息づく
「存在」という息吹を。
あらゆる「存在」は
呼吸をするかのように
波打ちながら
そこに存在しています。
それを、そのさざ波を
感じて欲しいのです。
その息吹を感じる事で、
我々を含める万物は
「揺れる」ことによって
互いに関わり合い、
そして繋がっている事を
感じられるはずです。
万物が繋がる事によって
人は何を知り得るのか。
人と人、物と物、
それらの間を結ぶ糸の様に
繋がる、
個にして全、
全にして個である事を感じることによって、
また
それらとの繋がりを感じることによって、
人は互いに分かり合おう、分かち合おうという
衝動に駆られるものです。
そして、その衝動こそが
この世全体を包括する
「全体」の全貌であり、
姿なのです。
人はそれを知るために
この世に「個」として産まれ落ち
「全」を知る人生の旅を
歩んでいくものなのです。
感じなさい。
これとそれを結ぶ
さざ波のような繋がりを。
彼と彼女を結ぶ
春うららかな季節の蝶の様に舞う
その軌跡を。
そして、
それらと
あなたを結ぶその瞬間を。
感じてください。
全ては「あなた」という「個」であり
「この世」という「あなた」であると言う事を。