『成功』という不確定な相対性

D.J
人生に於いて
「成功」というものは
どれほど信頼出来るものなのでしょうか。
「成功」という概念ほど
不確定要素その強いものは
無いのではないかと思うのです。
なぜなら、
ある人にとってそれが
「成功」であったとして、
それが別の誰かにとって
「成功」とは限らないし
また、
ともすれば
それを「失敗」と
捉える人もいる事でしょう。
「成功」「失敗」という概念は
絶対的な定義に裏打ちされたものではなく、
実に相対的な
比較対象が無ければ
それを断ずる事さえままならない
あやふやなものなのです。
それだけに、
我々は物事の成り行きについて
それが自分に何をもたらしたのかを
深く考察する必要があるのです。
果たして今、
失敗と考えている事は
本当に失敗なのか?
逆に成功したと思える事は
実は本当に成功なのか?
そのような事を
自問自答していくうちに
自分の中にある一つの
概念が産まれる事でしょう。
それこそが自身の
価値観であり、
アイデンティティであるのです。
相対的にしか
推し量る事の出来ない
事柄を追求する事で、
人は人を賢者足らしめます。
お仕着せの「成功」や「失敗」に
振り回されていては
自身の自我は育ちません。
相対的で答えを見つける事が難しいものこそ
真摯に対峙し、見つめる事によって
人は自身の天命さえも知る事が出来るのです。