他者あるが故の自我

D.2/R
この世には何故、
自分以外の人がいるのだろうか、
その意味を考え
その真理を知りたいと思ったことは
無いでしょうか。
結局のところ、
我々は他者との協調の中で
自身の存在意義を見いだし、
そこに自己を見つけるものなのです。
つまり、
他者がいない限り
自身を知ることは不可能なのです。
ということは同時に、
自身の存在、
そしてその存在意義を
示唆し、伝え教えてくれるものは
他者であるということでもあるのです。
他者がいるから
自分が存在出来る。
これが存在の真理です。
他者を否定するという行為は、
自分の存在を否定し
引き蘢る行為に似ています。
というより、
引き蘢る行為の顕現として
他者を否定すると言う衝動に
駆られるのだと思います。
自分自身は他者とは
切り離すことは出来ません。
なぜなら他者も
自分自身の一部だから。
何故他者は自分自身の一部なのか。
それは他者が居てこそ
自分の存在に意義や意味合いが生まれるからです。
自分自身に意義や意味合いが見つかった時、
その時こそ真の自我の発露を経験するでしょう。
発露した自我は知っています。
他者が存在するが故に
自分の存在し得る、
それすなわち
自身と他者は同一のものであり
自身と他者との間に生まれた
包括したひとつの体験、感覚こそが
自分自身の真の自我であるということを。