美徳の放棄

C.K/R
独断、独善というものほど
不誠実なものはありません。
常に関心の中心が
「自分」にあり、
それを他者に丸投げにする
不遜の行為でもあります。
そこに
真の意味で他者を思い遣るという
概念は存在しません。
他者に対して誠実であれば、
独断的な判断や、
独善的な行動を
することは出来ないはずです。
自分自身を二の次にし
他者の欲するものを汲み取る、
これは人としての
美徳です。
その美徳を放棄し
独断、独善の行為を成すことは
「人であること」を
放棄したと同義の意味を持つと
いってもいいでしょう。
他者を思い遣ればこそ
不可侵であるべきこともあります。
それを誰かの独断、独善で
踏みにじられるようなことがあっては
決してならないのです。
人は他者を思い遣り、
その他者は
何を望み、何を拒むのかを
よくよく汲み取り
他者の願う空気を創り上げる、
これ以上の美徳は
どこにあるでしょう。
そしてまた、
そうした美徳を身につけるために
我々は「人を学んで」いるのです。