凄惨で異常な殺人事件などのニュースを
目にしたり耳にしたりする度に思う事があります。
こんなニュース、自分に必要のある事なのか？と。
以前、似たようなことを記事に書いた事があって、
自分の身や、その周囲で直接的に起こっている事でもない
そういう事象に関して、
わざわざ知る必要はないのではないかという話。
まあ、それをやんわりした表現で１、２度書いた事があったのです。
今も相変わらず、ニュースでは
悲惨な事件を報道し続けますが、
そもそも、自分の生活とは全く関わりのない話題です。
それどこか、きっと
こうして「報道される悪意」は
メディアを通して拡散して、
新しい別の宿主へと憑依していくことを考えると、
そういうニュースは当事者でない限り
全くの「害悪」でしかない。
まして、
視聴率稼ぎに殺人事件を
ワードショー化するというのは
完全に最低な行為なのですが、
経済至上主義の現代社会にあっては、
それすら許容され、
あるいは推奨されさえもしているようです。
そういう構造を鑑みるならば、
凶悪な事件や異常な犯罪などは
ある種、マスコミがその犯人を育てることに
加担している節さえ感じられます。
少なくとも、
凶悪犯人を（内在的に）ダークヒーローに仕立て上げているのは
間違いなくマスコミです。
思うに万人に共通して有益な情報なんて
およそ、天気や災害情報とスポーツの結果と
公人の不正の告発くらいのものなのではないでしょうか。
まして、どこの誰だか知らない人の刃傷沙汰など
有害以外の何物でもないと思えます。
そうは言っても、
実際に日々、変な事件というものが
この世のどこかで起こる限り、
それがメディアを通して
無関係の人の心に触れることになるのは
現実問題として、変えようがないのも事実です。
ならば、
情報を受ける側に求められるのは、
そういうダークでネガティブなニュースを
スルーする力なのでしょう。
この問題自体は非常に
現代的な問題ではあるのですが、
実のところ、その根底にあるものというのは、
古来より問いかけられ続けるも、
未だ人が克服できていない
「精神の弱さ」であって、
意外と本質的なものは変わっていないのかもしれません。
井戸の中の暗がりを覗く者は、
その時点で既に
井戸の中の闇に魅入られているものなのですから。