世界の結び目

愛は鏡のようなもの。

ただの少しも歪むことなく
映し出すことができた時、
そこに本当の自分の愛の似姿を
見ることができるのです。

自分が振り返ると、
鏡の向こうにいるその人は、
同じように振り返るのです。

手を伸ばせば、
同じように伸ばしてくれる。

手を繋ぎ合えば
それまでばらばらに彷徨っていた
一対の魂は一つの輪となり、
そこに永遠は完結するのでしょう。

「私」と「あなた」は
世界の結び目。

無限に広がる宇宙に折り重なる
悠久の時間の旅をして、
全ての旅を終えた後、
最後に閉じられた
世界の結び目。

それは
「私」と「あなた」という存在にとって
形作られるシャボン玉。

この泡は「私」と「あなた」でできているのです。

宇宙とは上昇する気流のようなもの。

愛を閉じ込めたシャボン玉たちは
上へ上へ、気流に乗って昇っていきます。

無限に上へ。

そこに歌があります。
音楽と詩があります。
その響きは
まだ残る澱みをふるいにかけて分離し
切り離して、
さらに軽くなり、
無限の歌の振動という
上昇する大きな渦に乗って
もっと上へ、上へ。

永遠に上へ。

その力が
愛であり、
音楽であり、
世界であり、
宇宙であり、
私であり、
あなたであり、
さらに大いなる場所で、
さらに大いなる
「私というあなた」に出逢う。

さらに大いなるシャボン玉もまた
上へ、上へ。
無限に響く歌に乗って。

「私」と「あなた」で
世界は結ばれる。

世界の結び目には
愛という力が
歌となって響いているのです。