うっかり詐欺電話に電話をしてしまう

つい先日、ついうっかり
「詐欺電話」に間違えてかけてしまいまして・・・(笑)
もちろん被害に遭うことはありませんでしたが、
僕自身も、そんな「詐欺電話」なんかに
電話をかけてしまうことなど絶対にあり得ない、と
今でも信じているし、
普通の成人であれば、ほとんど誰しもが
「詐欺電話」なんかに電話をかけてしまうことなど
あるわけないと信じていると思うのです。

『な・の・に』
なぜ、僕がそんな「詐欺」の電話にかけてしまったのか?
実は、ついかけてしまう
「悪運」というか「バッドタイミング」というものがあったのです。

まずは時系列で説明

「詐欺電話」にうっかりかけてしまう前日の午後、
某電気機器の修理のサポート(これは本物)から
メッセージを受け取りました。
送信元はサポート窓口として使われる
「0570」から始まる電話番号からで、
そのメッセージというのが、今時、誰が使うんだ?思わなくもない
携帯電話のショートメッセージ(電話番号で送るやつ)で、
「修理についての説明と今後の手続きについて問い合わせ」の旨で
メーカーのカスタマーサポートページへのリンクに誘導して、
そこから修理機器の状態に関する質問フォームに答えて、送信する
というものでした。

まあざっくり言ってしまうと
受けたメッセージの内容は、
メーカー;
「お預かりした機器の動作不良の確認が取れませんでした。
このまま様子見返送という形で機器をお返しするか、
もう一度、動作確認をしてお返し、または不具合が見つかれば修理するか、
今後の手続きはどう致しますか?」
というもので、
僕は、もう一度動作確認をして、不具合がなければ
「返送の手続き」をしてください、と回答しました。

で、
そういう経緯があっての翌日。また午後の似たような時間帯。
今度はまたショートメッセージで
送信元が「Support」とだけ書かれたものを受け取りました。
内容については、悪用される可能性があるので
はっきりとは書きませんが、
前日に本物と上述のような連絡のやり取りがあれば
てっきり、またそこだと疑う余地もないものでした。
そしてメッセージの最後に電話番号のリンクがあって、
そこにかけてくれとのこと。
電話番号は「06」から始まる番号。これが詐欺電話。
今思えば、「0570」ではないことに気づけばよかったと
思わなくもないですが、状況的にその時、気づくのは
ほぼ無理だっただろうと思われます。

(詐欺電話に)電話をかけると、
電話の向こうの詐欺野郎は「Amazonカスタマー」とか
名乗りやがる。
ちなみに、今回の機械の修理の一件で本物のAmazonは一切、関係はありません。
僕は、その詐欺メッセージが詐欺のものではなく
前日の電気機器のメーカーだと思い込んでいるので、
「え?○○(メーカー)さんですよね?」と聞くと
詐欺野郎も「え?え?」となっていたので(今思えばここも怪しい)
僕も前日に本物と、故障機器の「返送」のやり取りもあり
「Amazonのカスタマーサポート=物品の配送元」という
瞬間的な勘違いもあって、やりとりを続けていると、
詐欺野郎が
「Amazonプライムの料金が今年3月から滞納となっておりまして」
などと、ほざきよるのです。
僕はAmazonプライムの会員ではありません。
ここらへんで僕もようやく、
この電話の向こうのウンコ野郎が
前日にやりとりをした本物のメーカーのサポートの人ではなく、
いわゆる「架空請求詐欺」のクズだと気づきます(笑)
それで、「身に覚えないわ!」と言って
ようやく電話を切るわけですが、
一つ僕が手痛かったのは
確認のためと言われて、
携帯の電話番号と名前を答えてしまったこと。
よくよく考えたら、僕の場合
Amazonと携帯の電話番号を紐つけしていないので、
Amazonから携帯電話に連絡が来るはずがない
という話なわけです。
悪用されなければ良いのだけれど・・・。

そして、その返信するように誘導してきた詐欺電話の
電話番号をネットで検索すると
やっぱり、「架空請求詐欺」に使われている電話番号でした。

一応、念のためその後すぐに
Amazonのパスワードの変更と、
登録されているクレジットカードの情報は
一時的に削除しておきました。

というのがことの顛末。

この一件から言えること

架空請求詐欺やオレオレ詐欺など、
ニュースなどで話を聞いても、
絶対騙される心理など全然わからないわ、
と考えがちではあるのだけれど、
ああしたニュースというのは
事件のエピソードの言わば『佳境の一部』に過ぎないのです。
そうなってしまうに至った経緯もなく
その「佳境」だけ切り取られたものを、
「起きた事件の事後」だけを報道で聞いても、
それは、「なんで騙されるんだろう?」と
不思議に思うのは無理のないことだと思うのです。

けれど、物事には必ずそこに至るまでの
「文脈」というものが存在していて、
その文脈から読み取れば、
案外、なるほどそう誘導されても不思議ではないと
納得してしまうこともあるのだと思うのです。

例えば上述の僕の場合で言えば、
前日に本物と
「サポート」に「連絡」そして「手続き、処理」
というキーワードのやり取り、伏線があったうえでの
その翌日、同時間帯に
同じメッセージボックスの中に
同じキーワード属性を持つ詐欺電話の釣り針が
運悪く混ざり込んでくると、
てっきり「あの人(本物の方)」だな、と
信じて疑わなくなってしまうんです。

おそらく、こういうわざとらしい詐欺に
引っかかる人というのは、
運の悪いエピソード(文脈)の流れに乗ってしまっている人
なのではないかと思うのです。
正直、こういう流れになってしまうと
通常の思考力でさえ簡単には「詐欺」だと見抜けないかもしれません。
僕がつい前日にやり取りしていた人(メーカー)だと
思い込んで電話をかけ直してしまったように。

そして、こんな簡単な詐欺をする方も
「こいつを決め打ちで騙してやる」とは来ないと思うのです。
ともすればゲーム感覚で
手当たり次第、電話やメールでコンタクトしてきて
釣れれば儲け物くらいのカジュアルさで
やっているのではないでしょうか。

結論

詐欺は理性では防げない。
悪運から生ずる偶然の重なりによって
導かれる質のものである。

まあ、悪運に乗っていない今の自分を
感謝して日常を過ごすことだな・・・。