暴君を赦す

今日の夢・・・。
久々の中途覚醒で
また寝付けないので、
今、これを書いています。
夢の中で、
僕は中学生でした。
そう。いじめられていた頃の中学時代。
実際のところ、
僕をいじめていたのは
学校で、その悪さは1、2を争うほどの
番長格の奴で、
そいつの仲間も一緒になって、
僕に小石を投げてきたりとか
すれ違いざまに胸ぐらを掴まれ、
ただ理由も無く
僕は謝るしかなかった、
そんな事も経験してきました。
そんな中学時代にタイムスリップした夢。
・・・・、
夢の中で僕は
とにかく目立たないよう
なりを潜めていました。
少しでも目立とうものなら
実際に僕をいじめていた
番長格の奴が
また僕に何をしてくるか分からない。
だから、ひっそりと
目立たないようになりを潜めていたのです。
夢の中の教室で、
その番長格の奴は好き放題に暴れていました。
僕はそのとばっちりを喰らわないよう、
椅子に座って俯き
嵐が過ぎてゆくのを待っていました。
しかし、その僕の目論みは
失敗に終わります。
番長格のそいつは
僕を見つけ、
僕にちょっかいをかけてきました。
・・・、
そこで僕は目を覚ましました。
目を覚ました僕は、
中学時代に受けていた
理不尽な仕打ちの記憶が蘇り、
怒りの気持ちを抱いていました。
無意識のうちに
その番長格の奴を
想像の中で
鎖でがんじがらめにして
身動きが取れないようにしていました。
想像の中だから何だって出来る。
鎖に縛られ身動きが取れないのだから、
そのまま渾身の蹴りの一発でも喰らわせて、
海に投げ捨て、沈めてしまう事も出来ます。
想像の中で、実際に
そうしようと思いました。
だけど、そうすることを
思いとどまりました。
想像の中で奴を殺してしまう事を
止めたのです。
僕は鎖でがんじがらめになっている
番長格のそいつを、
鎖から解き放し、逃がしてやりました。
想像の中だけの話だから、
当然、殺す事だって出来ました。
だけど僕はそれをせず
奴を解放し、逃がしてやったのです。
たとえ自分の中の想像とはいえ、
人を傷つける事、
まして殺してしまう事など
したくなかったからです。
だから鎖から解き放ち、
逃がしてやった・・・。
そう、これでいいのです。
それは遠い昔の話であり、
今、実際に起きている事ではないから。
それでも傷ついた中学時代の
僕の心は、
まだ浄化できないまま、
また同じような夢を見るかもしれません。
でも、何度同じ夢を見ようとも、
僕は想像の中とはいえ、
殺戮に答えを求めないと誓います。
ただただ、傷ついた中学時代を
受け入れて、やさしく抱きしめ
癒してやろうと、
そう思うのです。
僕をいじめていた番長格の
あいつはもう僕とは関係ないのだから、
ただ当時の自分を認め癒してあげる、
その事だけに
意識のやり場を向けてあげよう、
そう思うのです。
だって、
報復したところで
僕の心の傷は癒えないことは、
十分理解しているのだから・・・。
僕は、そのいじめてきた番長格の
そいつを赦します。
それを良しとしない
中学時代の僕がまた現れたら、
その時は何度でも
その僕を抱きしめ、認め、
そして癒そう、そう心に決めたのです。
それは諦めとかそういうのではなく、
もう、それでいいんです。
そう、そんな事実があった
ただそれだけの話。
今、この瞬間の僕には
一切関わりのない事だから・・・。