恋愛論

Panse à~
やはり恋愛というものは
求めるべき物ではないと思うのです。
相手に何を求めるにしても、
それは相手にとって
束縛以外の何ものでもないからです。
「ただ一緒にいられればそれだけで良い」
たったそれだけでも、
いや、たったそれだけが
相手にとっては重荷、束縛となるのです。
まして、
あれやこれやを
相手に望むという事は、
最終的に相手を
苦痛にさせるだけだと思うのです。
「好きなのだから求めて何故悪い?」
そういう意見もあるかもしれません。
しかしよく考えてみてください。
自分が求められる立場になった時の事を。
始終つきまとわれ、
愛を渇望され、
自分としての個人の生活を
脅かされていく・・・。
そうした生活に耐えられるでしょうか?
それ故に、
愛を求める人ではなく、
愛を与える人であって欲しいのです。
しかしそれは、
押し付けがましい愛ではなく、
そっと支えになってあげられるような
そんな慎ましい愛です。
慎ましい愛とは
その根本に
「思い遣り」の精神が根付いているはずです。
つまり与えるべき愛とは、
もっともシンプルな表現をした時、
その実態は
「思い遣りの心」と言い表せる
物ではないかと思うのです。
「思い遣りの心」を持っていれば
相手に愛を求める事などありはしないし、
また
相手に愛を過剰に与える事もないでしょう。
ある人はそれを
味気ない愛と揶揄するかもしれません。
しかし、
それくらいの心の広さを
持ち合わせていないのなら、
愛や恋、つまり恋愛と言う
心の交わりを体感する事には
向いていないと
言わざるを得ないのかもしれません。
恋愛というものは
結婚と同じく、
夢物語ではなく
所詮、現実的な
人と人との交流なのです。