Keren Ann – You’re gonna get love

2016年に発売された
ケレン・アンという
シンガー・ソングライターのアルバム。

『You’re gonna get love』

僕も、今年のはじめ(1月とか)に購入して、
ずっと聴く暇がなくて放置していたのですが、
最近、ようやくこのアルバムを聴くことができました。

結論から言うと、
・・・、これはケレン・アンの最高傑作かもしれない・・・!

以前、彼女のアルバムで
『Not going anywhere』と言う作品(3枚目)を
彼女の最高傑作と紹介したことがあったのですが、
この『You’re gonna get love』は
僕の好み的には
完全に超えていると感じます。

タイトルチューンにして1曲めの
「You’re gonna get love」は
間奏のストリングスあたりで、
鳥肌がぞわぞわ立つほどに圧巻!

前作に当たる『101』と言うアルバムがあって、
彼女のサウンドはその頃から
アコースティックなものから、
80’s UKロックというか、ニューウェーブに通じるような
そういう方向性に変わったのではないかと思えます。

80’sのUKロック、ニューウェーブというと
とかく、キンキンとしてケバケバく
デジタルくさい、というステレオタイプ的な
印象はありますが、
彼女のサウンドは、逆にローファイ。
でも、どこか懐かしい80’sサウンド。

それが、現在の彼女の音なのではないでしょうか。

そう。
80年代のデジタルテクノロジーを取り入れて
作られた作品のレコードを
ダビングの、そのまたダビングして録音した(違法です)
カセットテープで聴いているような、
そういう懐かしさのある音なのです。

ケレン・アンもまた僕と同世代の人であり、
青春時代に、LPレコードをカセットテープに録音して
ラジカセで聴いていたのだろうなと、
推し量れるような、
今の彼女のサウンドの質感は、
ハマる人にはハマる気がします。

余談ですが、
80年代(CDが出てくる前)の
学校の休み時間の教室の会話。

「ねえ、〇〇が今度出したLP買ったんだよね?」
「カセット持ってくるからダビングしてよ」
「いいよ。その代わりにお前の〇〇のアルバム、テープに録ってよ」
「OKOK。46分で入るかな」
「あ、A面、46分だと途中で切れる」
「まじ!?じゃあ54分だな。メタルテープ買ってこよう」
「メタルテープってそんなに音良いの?」
「うん、ハイポジよりクリアだね」

こういう会話、日常茶飯事で
してたよな〜・・・。